絶滅危惧種となりつつある国産ステーションワゴン。しかし、その中にあって初代レヴォーグを評価する声が多いのはご存じだろうか? お手頃な中古車相場も相まって、コスパの良さが際立っている。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:スバル
【画像ギャラリー】マルチな才能の持ち主!! 唯一無二のコンセプトを持つ初代レヴォーグ(3枚)画像ギャラリー1.6Lの小排気量でもパワー不足を感じさせないターボエンジン
筆者がたまたま乗る機会を得たのは排気量1.6Lの初代レヴォーグ。乗り出してすぐに感じたのはレヴォーグのエンジンってこんなにパワフルだっけ? である。現行モデルに乗った経験があるとはいえ、久しぶりに乗ったレヴォーグの速さに驚いてしまった。
ターボの恩恵もあり、スポーツモードの加速感は十分。初代レヴォーグには2Lの設定もある。排気量とCVTの制御の違いにより踏み込んだ時のレスポンスや絶対的な速さは2Lに分があるが、個人的には1.6Lでも十分と感じる。しかも、1.6Lはうれしいレギュラーガソリン仕様だ。
1.6Lのカタログ燃費は16km/Lだが、筆者の経験では10km弱。インテリジェントモードで燃費走行に徹すれば燃費が伸びることはわかっているが、ついついアクセルを踏みたくなるエンジン特性が燃費走行を阻む。
巷では乗り心地が硬いという意見も散見されるが、これだけパワーのあるエンジンであれば、柔らかい足まわりでは不安定だろう。
十分な容量の荷室と使い勝手のいい後部座席
エンジンとサスペンションのスポーツ性能が高い一方で、荷室の容量は後部座席を倒せばゴルフバッグが4つ積載可能。
さらに4:2:4分割可倒式の後部座席は中央部分だけを倒せば乗車スペースを犠牲にすることなくスキー板を積載でき、使い勝手もよい。家族でキャンプやウィンタースポーツを楽しむ場合でも不満の声は上がりにくいだろう。
また、そのようなレジャーシーンではコーナーが連続する山道を通る場面も多い。重心の高いクルマではふらつきも大きく、同乗者も乗り物酔いをしやすい。最近のミニバンやSUVは安定性が高いとはいえ、それでもレヴォーグの比ではないだろう。まさにレジャーユースこそレヴォーグの真骨頂といえる。
前期モデルの中古車価格はこなれておりコスパが高い
AWDにより雪道のトラクション性能が高く、アイサイトで安全面もサポート。そんな充実した装備の中古レヴォーグが最近では入手しやすい価格になっている。2017年以降の後期モデルや現行の2代目はまだ高値だが、前期モデルは150万円前後から程度のよい車両が狙える。
後期型はアクセル・ブレーキ・ステアリング操作までサポートするアイサイトのツーリングアシストが搭載される他、シャープになったフロントマスクが好評。
その分、後期型の人気は高く、中古車価格は高い。また、現行モデルはエンジンの排気量も大きくなったことを考えると、維持費も含めて初代前期型のコスパは非常に優秀といえる。
家族のことを考えれば実用性や安全性が重要。しかし、スポーツ性能もほしい、そう思う人は筆者だけではないはずだ。そんなわがままな要求に良心的なお値段で応えてくれる初代レヴォーグは実に稀有な存在といえるのではないだろうか。






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