近年のSUV人気におされてモデル数が減ってしまったステーションワゴン。このままマイナーカテゴリーになるのはもったいない。今回はステーションワゴンの魅力をあらためて考えてみたい。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:スバル、トヨタ、マツダ、日産、写真AC
【画像ギャラリー】カローラよお前もか!? 役目を終えていく国産ステーションワゴン(3枚)画像ギャラリー安定した走りとたくさん積める荷室が魅力
ステーションワゴンは外見からもわかる通り、ミニバンやSUVに比べて全高が低く、低重心。車重も軽く、コーナリング時の安定性が高い。また、レヴォーグに代表されるように、セダンやクーペモデルと同型エンジンを搭載している車種も多く、パワーも十分。スポーツカーと肩を並べるほどのスポーティな走りが楽しめる。
もうひとつの魅力は広い荷室。トランクタイプの荷室をもつセダンに対し、ステーションワゴンは天井高も高く、後部座席を倒すことでさらに多くの荷物を積むことができる。セダンやクーペに並みの運動性能を持ちながら、ミニバンやSUVに近い積載量という双方のメリットを兼ね備えた形がステーションワゴンの大きな魅力といえる。
キャンプやウィンタースポーツの場面でも多くの荷物を積載しつつ、道中のワインディングも安定した走行が可能。ステーションワゴンにとってアウトドアは真骨頂ともいえるシチュエーションだろう。
ステーションワゴン低迷の裏にはSUVの進化が
しかし近年、ステーションワゴンの人気は低迷。その理由は走行性能より室内の広さや快適性が重要視されてきたことが要因だろう。ミニバンではパワースライドドアやキャプテンシートのように独立したセカンドシートが普及。SUVでは悪路の走破性より乗り降りしやすい車高で利便性が増したことが支持されている。
特に近年のSUVは市街地の走行を重視した足まわりの設計でコーナリングの安定性も高い。乗り心地もよく、広い荷室とあわせてステーションワゴンにとってかわる進化を遂げたともいえる。各メーカーのラインナップも豊富で、ステーションワゴンよりSUVの方が圧倒的に選びやすい。
■欧州車は今でもステーションワゴンが健在
しかし、それでもSUVに比べてステーションワゴンのタイヤは外径が小さく軽量。DIYでスタッドレスタイヤを脱着する負担や、保管スペースを考えると降雪地区ではタイヤの大きさは軽視できないだろう。また、都心部ではハイルーフ対応の格納式駐車場を探す必要もない。細かいことかもしれないが、メリットは意外と多い。
欧州車はミニバンが少ないこともあるが、メルセデスベンツやBMWをはじめとして各メーカーのステーションワゴンモデルは健在。国産車もかつてのステージアやレガシィのように魅力的なステーションワゴンは多く存在した。時代の流れとはいえ、もう少しステーションワゴンがあってもいいと思うがいかがだろうか。
コメント
コメントの使い方その通りなんです。見た目はスタイリッシュ、セダンより後席頭上も余裕があり、積載量や積み降ろしのし易さは同クラスSUVより上。
けれど特に日本では、外見は高さがある方が見栄えする=格上に映ると捉えられがちで、低いからこその良さが長所とされない。
走りの良さも快適性も、同じ技術で作ればSUVより上なのですが、SUVがより高く・数も売れるので上位版として作られ、割高ですが内容での差はなくなってしまった。
ステーションワゴンにからSUVだと思っているようですが、ワゴンは後が長くて使い方によっては、空きが生じるし、都市部では運転しにくく、後ろに下がるときに感覚がわかりにくい。だから、小回りの利くコンパクトカーや税金の安い乗用軽自動車に変わったと考えます。いずれの車も、後ろのシートを倒したら荷物が多く積めるし、乗車時に一人や二人が多いから、これでよいと気が付いたのでしょう。