愛車はいつもピカピカにしておきたい。でも「洗車はしすぎると良くない」「洗車しなさすぎるのも良くない」ともいわれる。「愛車をキレイにすることの何が悪い!」と思う前に、なぜそう言われるのかを少し考えてみる。
文/山口卓也、写真/写真AC
【画像ギャラリー】きれい好きはいいけれど…(9枚)画像ギャラリー洗車しすぎ&しなさすぎ? クルマを傷めるのはどっちなの?
「洗車しすぎるとスポンジやウエスなどで擦ることでボディに細かなキズがつく」「鳥のフンや虫の死骸がついたまま洗車せずにいるとボディの塗装面が劣化する」などはよく聞く。
となると、いったい洗車は頻繁にしたほうがいいのか、あまりしないほうがいいのか迷ってしまう。
そして、「クルマを傷める」とひと口にいっても、それは塗装面のキズなどを指すのか、ボンネット内やボディ裏側の金属部分のサビなどを指すのかわからない。少し整理してみよう。
「洗車しすぎ」で考えられるクルマの傷みの種類は以下のとおり。
・スポンジやウエスで塗装面を擦ることによる細かなキズ
・水分をしっかり拭き取らないことによる塗装面やガラス面のシミ
・ボンネット内やボディ裏側の金属部分に残る水分によるサビ
「洗車しなさすぎ」で考えられるクルマの傷みの種類は以下のとおり。
・鳥のフンや虫の死骸を放置することによる塗装面のシミ・変色・剥がれ
・海の近くなどを走行後に塩分がついたまま放置することによる金属部分のサビ
・花粉が付着したままのボディに夜露や雨水が付着するとペクチンが流出。その後の乾燥による塗装面へのシミ
このように、“傷み=塗装への悪影響”と考えると、塗装面はあまり擦らないほうがいいし、塗装面やガラス面の水分は確実に取っておくほうがいいし、鳥のフンや虫の死骸&潮などは付着したら速やかに除去、花粉がボディに付着したら水分の付着前に除去したほうがいいことがわかる。
逆にいえば、鳥のフンや虫の死骸&花粉など塗装面に悪影響を及ぼすものがボディに付着していないなら、スポンジやウエスによる細かなキズをつけ、どうしても少しは水分を残してしまう洗車はしないほうがいいともいえる。
薄汚れたクルマには絶対乗りたくない人には選ばれない選択だが……。
洗車はある意味、“想定外の部分に水分を残す行為”でもある
高圧洗浄機などで洗車をすると、ボディの細かな部分にまで水分は入り込む。パッと見で気づきやすいボディの塗装面ではないために、拭き取られなかったボディ内部の水分は何日間もそこにとどまると言われており、じつはこの水分が「洗車をしすぎるとクルマを傷める」と言われる最大の理由。
ボンネット内やボディ裏側に残る水分を金属部分に残したまま放置することでサビが発生。しかしそのサビは目に触れにくい場所、乾きにくい場所であるため確実にサビは進行し、クルマを傷めていくことになる。
筆者は以前、持ち主に愛されていたであろう見た目にきれいな中古車を購入したが、その後マッドフラップを交換した際にマッドフラップが付いていたボディ部がサビサビであることを知った。
場所と構造上、どうしても水分が残りやすい場所だけに仕方ないと思ったが、その他のあまり目に触れない金属部分もけっこうなサビ具合で驚いたのだった。
洗車はある意味、 “走行自体に悪影響を及ぼしかねない状態”を作っていく、クルマという機械にとっては最悪の行為とも言えるかもしれない。
特に洗車時の高圧洗浄機での水かけは、雨天走行時よりも細かな部分、想定外の部分にまで水分が入り込みやすい。とくに現代のクルマは複雑なボディ形状に加え、さまざまな部分がカバーされていることが多く、どうしても水分が残りやすく乾きにくいのも確か。
よって、洗車後は塗装面やガラス面だけではなく、あればブロワーなどを使ってできるだけ水分を残さないようにすべきだし、ブロワーなどがなければ少し走行するなどして水分はできるだけ飛ばす努力をしたほうがいいだろう。










コメント
コメントの使い方筆者はどんなくるま乗ってんだろう?30年以上前のかな?いやいや30年以上前でも、ボディの腐食(錆び)対策として塗装面の下地に電着塗装と云って、ボディ全体を液(プール)の中に浸け防錆対策をしてある。もしボディ内側に錆があるなら、そこは修理した箇所。
今の塗装はそんなに軟じゃないぞ。洗車は雨上がりが一番良い。