結局トヨタ シエンタとホンダ フリードはどっちがお買い得なのか? 販売はシエンタに軍配!! 2台のあばたとエクボをはっきりさせる!!

最大のライバルであるフリードとシエンタ、どっちがお買い得なのか?

フリードe:HEV AIRのコクピット
フリードe:HEV AIRのコクピット

 一方のフリードは、現行型の発売時点では、マルチビューカメラシステムのオプション設定がe:HEVのみであった。そこで2025年3月に改良を実施して、ノーマルガソリンエンジン車でもオプション装着できるようになった。

 シエンタは価格も安い。最も安価なノーマルガソリンエンジンのX・2WD(7人乗り)は203万5200円だ。Xはスライドドアの電動機能が左側のみで、ディスプレイオーディオも省かれるが、安価だから法人やレンタカーの需要を拡大できる。

 フリードは全車に両側スライドドアの電動機能を標準装着しており、値上げの影響もあるため、最も安価なノーマルガソリンエンジンのエアーでも価格は262万3500円だ。シエンタは内容がシンプルでも、最も安いグレードが60万円近く下まわるから、安価な印象を与える。

シエンタのコクピット
シエンタのコクピット

 売れ筋の上級グレードは、シエンタはハイブリッドZ・2WD(7人乗り)だ。ドライバー異常時対応システムやパノラミックビューモニターなどを標準装着して、ディスプレイオーディオのサイズも10.5インチに拡大される。価格は303万6600円だ。

 フリードe:HEVエアーEXは、マルチビューカメラシステムはオプションだが、アルミホイールは標準装着する。装備はシエンタハイブリッドZと同様に充実するが、価格は6人乗りが321万2000円だから少し割高感が伴う。

フリードがシエンタを上回る機能は?

フリードの6人乗り車のセカンドキャプテンシートは、7人乗り車のセカンドベンチタイプシートと比べると、はるかに座り心地がよい。シエンタにはこのキャプテンシート仕様はない
フリードの6人乗り車のセカンドキャプテンシートは、7人乗り車のセカンドベンチタイプシートと比べると、はるかに座り心地がよい。シエンタにはこのキャプテンシート仕様はない

 その代わりにフリードがシエンタを上まわる機能も多い。車内の広々感はフリードが勝り、3列目シートの居住性もシエンタに比べて快適だ。2列目には、シエンタでは選べないセパレートタイプのキャプテンシートを割安な価格で設定した。乗り心地も快適で内装は上質だから、フリードであれば、コンパクトサイズなのにミドルサイズミニバンに迫る満足度を味わえる。

 対するシエンタは、全長が4200mm台の運転しやすいボディ、割安感の強い価格設定など、コンパクトミニバンとしての価値を追求している。ここがトヨタの巧みな商品開発だ。

 シエンタは、ミドルサイズミニバンのノア&ヴォクシーの領域には、絶対に踏み込まない。シエンタ独自のユーザーを獲得する。

シエンタの室内高は1300mm
シエンタの室内高は1300mm

 ノア&ヴォクシーも、アルファード&ヴェルファイアの領域には入らない。トヨタ車は、同じカテゴリーでも縄張りを明確にして共存共栄することで、国内で売られる小型/普通車の半数を占める(レクサスを含む)。

 その点でフリードは、ステップワゴンと重複する機能も見られる。開発者からも「ステップワゴンに勝てる機能は少なくない」という話が聞かれ、商品力が高い半面、互いに競争して需要を喰い合うことも考えられる。この点が共存共栄を重視するトヨタとの一番の違いだ。

 このほか販売店舗数も異なる。トヨタの店舗数は全国に約4400箇所だが、ホンダは約2100箇所だから半分程度に留まる。トヨタの販売店からは、次のような声も聞かれた。

「最近のトヨタでは、受注を停止している車種が増えた。ランドクルーザーなどは生産が需要に追い付かないためだが、細かな一部改良などでも相応の期間にわたって受注が止まる。そのために(定額制カーリースのKINTOを除くと)積極的に販売できる車種が減り、順調に納車されるシエンタやルーミーに力が入る。そのために売れ行きが伸びた面もある」。

 以上のようにシエンタが好調に売られている背景には、車両開発、生産、販売まで、トヨタのいろいろな事情が影響を与えている。シエンタはボディタイプ別にみた時のトヨタ車の実質販売NO.1だから、いろいろな意味で、トヨタを象徴する存在になっている。

シエンタのフロントシートウォークスルー機能
シエンタのフロントシートウォークスルー機能

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