自動車保険料を算出するためのベースになる指標が「型式別料率クラス」だ。1~17の17段階で評価され、その数字は保険金支払いの実績が少ないほど小さくなり、保険金支払いの実績が多い型式ほど数字が大きくなる。初度登録から10年以上が経過したクルマと新車では、同じ補償内容を組むと、車両保険金額の大きな差によって新車の保険料が高くなるのが常なのだが、型式別料率クラスの数字によっては、新車の方が安くなることも。13年落ちプリウスから新車のノアに乗り換えた際に実際に起きた、保険料の変化をお伝えしていこう。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】3代目プリウスだけじゃない!? 4代目も油断ならないぞプリウスの保険料!(12枚)画像ギャラリープリウスの保険ってやっぱり高かったのね
筆者が乗っていた平成24年式のZVW30型プリウス(料率クラス:車両8・対人11・対物10・傷害11)。当たり前のように自動車保険料を支払っていたのだが、結構高い金額だったらしい。
保険の補償内容は次の通り
・対人・対物保険金額:無制限(対物免責0円・対物超過修理費用補償特約あり)
・人身傷害保険:5000万円(搭乗中のみ補償)
・車両保険:一般条件(免責金額5-10万円)(車両全損時諸費用補償特約あり)
・車両保険金額:60万円
・弁護士費用特約
・レンタカー特約(日額7000円)
・個人賠償責任補償特約(国内無制限・国外1億円)
契約条件は、20等級(事故あり係数適用期間0年)、日常レジャー使用、35歳以上補償、本人夫婦限定、免許証の色はゴールドである。
この条件で、毎月の保険料は6950円だった。年換算すると8万3400円だ。契約当初から月々6000円台だった保険料は、じわじわ上がっていったものの、「こんなもんだろうし仕方ない」と、他車と比べることはほとんどなく、約13年間払い続けたのである。
このクルマをこの春、乗り換えた。新しいクルマは令和7年式のZWR90型ノア(料率クラス:車両7・対人6・対物2・傷害9)だ。プリウスとほぼ同条件・同契約内容で自動車保険契約を結び直したのだが、算出された保険料を見て驚いた。
保険の変更点は次の通り
・人身傷害保険:無制限(前契約5000万)
・人身傷害乗用具事故補償特約追加
・車両保険金額450万円
補償は厚くなり、車両保険金額は7倍以上に増えているにもかかわらず、ノアの保険料は月額6260円、年換算では7万5120円とプリウスの時より年間8000円以上安いのだ。
新車に乗り換えた方が自動車保険料は安くなる、そんな時代がやってきている。
各種割引はあるものの最大の違いは料率クラス
ノアの契約にはEco割引や新車割引などが入っているが、それでも7倍の車両保険金額を帳消しにできるものではない。プリウスとノア、両者の大きな違いは、保険料を算出するベースとなる型式別料率クラスにあるのだ。
それぞれの料率クラスを改めて確認しておく。
・ZVW30型プリウス(料率クラス:車両8・対人11・対物10・傷害11)
・ZWR90型ノア (料率クラス:車両7・対人6・対物2・傷害9)
すべての項目でノアがプリウスを下回る。車両クラスは1低く、対人は5、傷害は2、対物に至っては8も下がる。この差が保険料の差を生み出しているのだ。
新車を買うにはお金がかかるが、車両維持費だけで考えれば、自動車税種別割は同排気量の場合新車の方が安くなるし、自動車保険も安くなることが多い。維持費だけなら、新しいクルマの方がお得になるかもしれないぞ。
特に30系プリウスのように、爆発的な人気があって、様々な年齢層のドライバーが乗り、事故の発生件数もおのずと多くなる車種では、自動車保険料がどんどん高くなってしまう。販売ランキング上位に入っているクルマに乗り続けてきた人は、一度立ち止まって確認してみてほしい。
クルマ選びの際に、人気の度合いや型式別料率クラスを確認しながら購入を進めていくことで、重くのしかかりやすい車両維持費を軽くできる可能性がある。まずは、今乗っているクルマと購入希望のクルマの、型式別料率クラスを比較するところから始めてみよう。














コメント
コメントの使い方