世界中がアメリカのトランプ大統領の導入した「トランプ関税」に振り回されている。130万台超をアメリカに輸出する日本の自動車メーカーにとって、追加関税は大きな障壁となるだろう。一部では北米で生産した日本車を日本へ逆輸入するという話も出ているようだが、これはこれで面白そう。そうなると、調子のいいカローラシリーズから、ルミオン復活なんてこともあるのでは。そこで2007年に登場したカローラルミオンを振り返っていこう。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】これこそ平成だよ! 青色LEDの天井ライトで室内もイケてるトヨタ カローラルミオン! (15枚)画像ギャラリー北米向けモデルの流れを持つボクシーなカローラ
カローラルミオンは、北米市場で販売していたサイオン・xBを日本市場向けに仕立て直したクルマである。
プラットフォームはカローラではなくオーリスと共用したため、ボディ全幅が1760mmと5ナンバーサイズに収まっていない、当時としては異端なカローラだった。やや丸みを帯びてはいるものの、水平なエンジンフードやルーフ、垂直に立ち上がったピラーは、非常にボクシーな雰囲気を作り上げている。
シンプルな箱型デザインは、ユーザーの想像力を掻き立てる。束縛の無い完成形がルミオンの強みだ。
角張ったボディはbBを想起させ、ルミオンはカローラシリーズでは珍しい、若者の支持が非常に厚かったクルマ。装備にはサブウーファー付きの9スピーカーオーディオや、青色LEDの天井イルミネーションを用意するなど、若者向けの演出にも余念が無かった。
走りのイメージが強いコクピット
メーターパネルはナビ上部にセンターメーターの格好で用意され、左から水温計・燃料計・回転系・デジタル速度計と4連タイプだった。タコメーターは0回転が真下にあり、針が真上を向くとレッドゾーンを迎えるという、非常に見やすいタイプ。水温計と燃料計も針式で、航空機のコクピットのような雰囲気を醸し出す。加えて、空調コントロールパネルが運転席側にやや傾けてあり、細かな部分だが操作性が非常に良かった。
エンジンは1.5Lと1.8Lの2種類。トランスミッションはスーパーCVT-iが搭載されていて、1.8Lモデルには7速シーケンシャルシフトを採用していた。さらに1.8Sエアロツアラーにはパドルシフトも用意される力の入れようだ。
見た目は快適性の高いトールワゴンだが、いざ運転席へ座るとスポーツカーに乗っているのかと見間違うような、走りのデザインや装備が目白押しだったのである。
当時は3ナンバーで苦戦したが今なら!
車となった。2025年10月末で5ナンバーのアクシオとフィールダーが生産を終えるため、以降のカローラシリーズは、3ナンバーモデルだけで勝負することとなる。
10年前に比べればワイドボディによる3ナンバー化に抵抗が少なくなった日本人。ルミオンは、カローラ=5ナンバーの時代に生まれたため当時は販売面で苦戦を知られたが、今ならどうだろう。
ルーミー以上シエンタ未満の位置に、カローラルミオンが入るのはラインナップ的にも面白そう。さらにルミオンを血筋通りに北米で生産して日本へ逆輸入したら、トランプ大統領もニンマリで、追加関税措置も収束してくれるのではないだろうか(これは淡い期待かも)。
登場する時代が違えば、結構いい線を行くクルマだったはずのカローラルミオン。付加価値たっぷりのリラックススタイルは、令和の今の時代にこそ合っている。


















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