これだけ暑いと人間はもちろん、クルマもへばる。エンジンオイル、バッテリー、エアコンが夏のトラブル3定番といわれている。そこで、あ~やっておけばよかったと、クルマがへばる夏本番前にやっておきたい必須メンテナンスを紹介しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:NorGal – stock.adobe.com)
エンジンオイルは1年または1年5000kmじゃ、今の日本の暑さじゃ耐えられない!
最新車だからエンジンオイルを1年交換しなくてもいい、とタカをくくっていないだろうか。たしかに、エンジンオイル交換時期は、通常の場合、1年または1万5000kmの早いほうと推奨されている。
しかし、30度以上の真夏日、35度以上の酷暑日に走行した場合は、専門用語でシビアコンディションと呼ばれ、いわば想定外に近い状況。クルマだって悲鳴を上げているのだ。
もちろん暑さだけでなく、エンジンの負荷の大きい上り坂の走行が多い、雪道での走行が多い、8km以下を基準とした近距離の使用が多い、30km/h以下の低速走行が多い、アイドリングが多い、といった走行状況がシビアコンディションと呼ばれている。
特に酷暑日に渋滞やストップ&ゴーの多い街中での走行の場合、エンジン内部で水蒸気が起き、その水蒸気は油温が上がらないと蒸発せずにエンジン内部に残るため、エンジンオイルの劣化を早めることになる。
こうしたシビアコンディションの場合、エンジンオイルの交換サイクルは、通常が1年または1万kmの場合、半年または5000kmとなるのだ。つまり、通常の半分の期間、走行距離で交換必須となるのだ。
新車から2回目の車検を迎えたクルマも、シビアコンディションで走り続けた場合、「まだまだ大丈夫」といえなくなってきている。3000kmごとのエンジンオイル交換とはいわないが、例えば30km以上の酷暑日の大渋滞や最近、ストップ&ゴーの激しい街中しか走っていないと感じたら、エンジンオイル交換と高速走行をお薦めしたい。
バッテリー上がりは一番起きやすいトラブル
夏のJAFロードサービス出動件数でバッテリー上がりが相変わらず1位となっているのは、それだけ負担が大きいということだ。シンプルな構造で信頼性の高い鉛酸バッテリーでも、最近の酷暑ではまいってしまうのである。
バッテリーの電力を大きく奪うのは、エンジン始動のほか、灯火類やエアコンのブロアファン、それにラジエターの電動ファン、電動パワーステアリングなどがある。特に真夏の渋滞では電動ファンが回る頻度が増え、バッテリーの負担が大きくなってしまう。
普段から充電量が不足気味だったバッテリーは、真夏の渋滞で発電量不足によってダウンしてしまう、というのが真夏のバッテリー上がりの大きな原因となっているのだ。
では、バッテリーの劣化はなかなか気付きにくく、気付いていても、まだ大丈夫と思ってうっかりしていると、ある日突然動かなくなる、ということも充分ありえる。もし、バッテリーが「もう寿命ですよ、注意してください」いう、予兆がわかればそれを防ぐことができる。以下がその予兆である。
・パワーウインドウの動きが鈍くなった
・ヘッドランプがエンジンの回転数によって明るさが違う
・エンジンを始動する時、セルモーターが弱く、回り方が遅くなった
・アイドリングストップが入りにくくなった
上記の予兆が1つでも当てはまるのであれば、バッテリー液量やインジケーターのチェックをしたい。自分では無理! という人ならディーラーや最寄りのカー用品店にチェックしてもらって劣化しているのがわかったら早めに交換するといいだろう。
また、搭載されているのが一般的な鉛酸バッテリーであれば、カー用品店でパルス発生機能付き充電器(7500円~)を購入し、バッテリーを延命させる手もある。
だいたいバッテリーの状態を見るのが面倒くさい、まさか自分のクルマがバッテリー上がりを起こすことはない、とタカを括っている人ほど、後で痛い目を見るのである。





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