2024年、3台のBEVを引っさげて日本上陸を果たした中国の自動車大手BYD。以降は1年に1モデル以上は日本に新モデルを登場させたいと宣言していたが、その1台がこの「シーライオン7」。BYD海獣シリーズ最新となるSUVの出来はどうだ!?
※本稿は2025年4月のものです
文:西川昇吾/写真:奥隅圭之、BYD ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
後席も広々ゆったりのSUV
1年に1モデル以上は新型モデルを日本市場へ投入するとアナウンスしたBYD。2025年に投入されるモデルがこのシーライオン7だ。これが日本市場で第4弾の乗用車モデルとなる。
シーライオン7は2024年に日本に導入されたSEAL(シール)をベースにしたSUVモデルだ。それはエクステリアデザインにも表れていて、ヘッド&テールライトのデザインはSEALに似ている。まさにSUV版SEALといった印象だ。
インテリアもSEALと似通ったデザイン。そして質感が高いのも同じだ。シートはナッパレザーで高級感にあふれているし、ソフトパッドが多用されていて、高級ブランドの同サイズのSUVに比べても劣っていない。
また、インテリアで好印象だったのが後部座席だ。177cmの筆者が座っても、足元は広々とした印象だし、最大20度までリクライニング可能となっていて、リラックスして乗ることができる。
SEALをベースに進化……なのにSEALより安い!?
試乗を始めたその瞬間、静粛性の高さに驚かされた。パワーユニットが静かなのはBEVだから当然だが、ロードノイズをはじめとした外から入ってくる音が小さいのには驚かされる。
重たいバッテリーを搭載しているため、車重は2.2トンを超えるが、そのわりには良好な乗り心地。減衰がしっかりと効いていて、振動が不快に残ることもない。後部座席ではやや揺れ感が大きいと感じるが、同乗者から不満が出ることは少ないと思えるレベル。コンフォート性能は高い一台だ。
なお、RWDとAWDの2つが用意されているが、タイヤサイズと銘柄の違いからか、AWDのほうは乗り心地に若干角がある印象となっている。それでも多くの人が感じる及第点は余裕で超えているだろう。
今回の試乗コースではクローズドのスラロームコースも用意されていた。ここでペースを上げるとさすがに車重の影響を感じるが、SUVであることを考えれば充分なフットワーク性能であった。車重と駆動方式の影響か、若干だがスラロームをクリアするのはRWDのほうが楽に感じる。
全体的に好印象であるが、運転支援やドライバー監視システムは、介入や警告を見るとやや敏感過ぎる。このあたりはアップデートでの精度向上を期待したい。
そして何より驚いたのが値段だ。SEALからさらに充実した運転支援システムや進化したインフォテイメントシステムを採用しているが、価格はなんとSEALよりも安く、500万円を切る。
装備内容や質感を考えれば正直BEVであることを抜きにして、ICEやHEVの同セグメントの他のSUVと比べても魅力的な価格設定と言える。
日本で普及している充電方式CHAdeMOや家庭へ電力供給が可能なV2Hに対応しているのも嬉しい。初のBEVマイカーとしてもお薦め度が高い一台だ。



























コメント
コメントの使い方こんなもんに補助金とか頭おかしい
まぁ 耐久消費財として見なければ 御安いのカモね 1/1の御高いラジコンカーモドキと思えば