スズキのセニアカーが40周年!　交通弱者に寄り添った偉大なモビリティ!!

　1985年に誕生したスズキのハンドル型電動車いすのセニアカーが、2025年で発売開始から40周年を迎えた。 高齢者や足の不自由な方々の移動手段として、歩行者並みの速度で安全に走行できるこの電動車いすは、時代の変化に対応しながら進化を続けてきた。 その粛々とした取り組みと、交通弱者への深い配慮に、改めて注目が集まっている。

文：ベストカーWeb編集部／写真：スズキ

40年の歴史が語る、スズキの真摯な姿勢

　1985年10月、スズキは初代セニアカー「ET10型」を発売した。 高齢化社会の到来を見据え、高齢者や足の不自由な方々が歩道を安全に移動できる手段として開発されたこの電動三輪車は、歩行者並みの速度で走行し、運転免許も不要という特徴を持っていた。

　その後もスズキは、安全性と快適性の向上を追求し続けた。 1999年には四輪タイプを追加し、2005年には都市部での使用に配慮した「タウンカート」を発売。 2023年には、障害物検知サポートやLEDヘッドライトを搭載したモデルを投入し、さらなる安全性の強化を図った。

　これらの取り組みは、単なる製品開発にとどまらず、交通弱者への深い配慮と社会的責任を果たす姿勢の表れである。 スズキは、セニアカーの開発・生産を一貫して国内で行い、2000年には累計販売台数10万台を達成。 2025年現在では32万台を超える実績を誇っている。

40周年記念キャンペーンと今後の展望

　40周年を迎えたスズキは、2025年6月1日から12月末までの期間、全国の販売代理店で特別な特典を用意したキャンペーンを実施している。 併せて、セニアカー40年の歩みを紹介する特設サイトも公開され、今後は記念動画の公開など、コンテンツの追加も予定されている。

　このキャンペーンは、セニアカーの利用者だけでなく、その家族や介護関係者にとっても、製品の理解を深める良い機会となるだろう。 また、スズキの粛々とした取り組みが、多くの人々に安心と信頼を提供してきたことを再認識させるものでもある。

　高齢化が進む現代社会において、交通弱者の移動手段の確保はますます重要な課題となっている。 スズキのセニアカーは、その解決策の一つとして、今後も進化を続けていくことだろう。