チェック4「摩耗したブレーキパッドを使うと制動力が大幅に低下!」
ブレーキパッドはクルマを止めるためにディスク(ブレーキローター)を挟み、摩擦を生み出す消耗品。パッドがすり減って薄くなると、雨の日の制動力に大きな影響が出る。にもかかわらず、意外とチェックを怠りがちな部分だ。
濡れた路面を走行するとディスクとパッドの間に水が入り込み、一時的に摩擦力が落ちて、ブレーキが利きにくくなることがある。
ただし、パッドやディスクの摩擦面が均一で、しっかりと当たりが出ていれば、水膜はすぐに押し出され、制動力は早めに回復する。
いっぽうで、摩耗や偏摩耗が進んだパッドでは接触面が不均一になっているため水が抜けにくく、ブレーキの利きが低下しやすくなる。
パッド摩耗を察知するには異音の有無を確認することが一番。
最近の国産車には「パッドウェアインジケーター」という装置が装着されている。これはブレーキパッドがすり減ってくると、直接ブレーキディスクに触れて「キーキー」と異音を出すことで交換のタイミングを知らせてくれる装置だ。
他に、ブレーキパッドの摩耗が進むとブレーキ警告灯が点灯する。こうしたサインには敏感になり、察知したら、迷わず点検・交換したい。
チェック5「湿気は大敵! ブレーキオイルを点検してベーパーロック現象を防ぐ」
ブレーキオイル(ブレーキフルード)の交換目安は2年に1度または、1万km走行前後といわれてはいるものの、湿気の多い梅雨時は一度点検することをお薦めする。
その理由は、ブレーキフルードは空気中の水分を吸収して劣化していく性質があるためだ。
フルード内の含水率が上がると沸点が低くなり、ブレーキが高温になった際にフルードが沸騰しやすくなり、ペダルを踏んでも圧力がうまく伝わらず、ブレーキが利かなくなるおそれがある。いわゆる「ベーパーロック現象」だ。
また、フルードに含まれた水分が原因で、ブレーキ系統内部にサビや腐食が発生することもある。
ブレーキフルードの劣化は見た目では判別しにくく、定期的な点検が欠かせない。
ブレーキペダルの踏み心地が異常にフカフカしないか、量が足りているか、茶色や黒っぽく濁ってはいないかなどを確認し、異常を感じたら早めに交換することが重要だ。
チェック6「エアコンフィルターの点検は必須事項」
梅雨時は車内の湿気やカビ、においが気になりやすい時期。その原因のひとつが、カーエアコンのフィルターの汚れや劣化だ。
フィルターが汚れたり劣化して目詰まりを起こしていると送風効率が落ち、エアコンの冷却性能が低下して除湿効果が十分に発揮されない。結果、フロントガラスの曇りが取れにくくなってしまう。
エアコン本体の作動チェックとあわせて、フィルターの状態も点検し、状態によっては交換することで、快適な車内環境を保ちやすくなる。
また、この時期は、内部にたまったカビが増殖してにおいのモトとなり、不快感だけでなく健康面にも影響を与えるおそれがある。とくに、アレルギー体質の人は要注意だ。
ちなみに、使用後はしばらく送風に切り替え、エアコン内部を定期的に乾燥させることで、カビやにおいの発生を抑え、劣化を防ぐことができる。

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