ガソリン暫定税率は廃止されたが17.1円の軽油引取税の暫定税率廃止はいつ? これで物価は下落する!?

ガソリン暫定税率は廃止されたが17.1円の軽油引取税の暫定税率廃止はいつ? これで物価は下落する!?

 2025年末でガソリン税の暫定税率が廃止されたことは大きく報じられ、多くのドライバーが「では軽油はどうなるのか?」と疑問を抱いているはずだ。特に物流業界やディーゼル車ユーザーにとって、軽油引取税の扱いは家計や企業収益に直結するテーマである。今後、軽油引取税はどうなるのか、解説していこう。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真はAdobe Stock@mikitea)

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軽油引取税の暫定税率はどうなるの? レギュラーガソリン価格との価格差は?

ガソリンの暫定税率廃止され、軽油引取税の暫定剤率が廃止されないと軽油とガソリンの価格差が縮まる
ガソリンの暫定税率廃止され、軽油引取税の暫定剤率が廃止されないと軽油とガソリンの価格差が縮まる

 2026年2月17日現在、資源エネルギー庁が公表している石油情報センター調査による全国平均小売価格は以下の通りだ。

・レギュラーガソリン:155.5円/L
・軽油:143.8円/L

 現時点では軽油がガソリンより約11.7円/L安い水準にある。軽油引取税は地方税で、本則税率15円/Lに加えて、これまで「暫定税率(当分の間税率)」17.1円/Lが上乗せされ、合計32.1円/Lが課税されてきた。

 2025年第219回臨時国会(2025.10.21~12.17)では、ガソリン揮発油税および軽油引取税の旧暫定税率を廃止する「ガソリン暫定税率廃止法案」が審議され、2025年11月28日の参議院本会議において全会一致で可決・成立。今回の税制見直しでは、この暫定税率部分17.1円が2026年4月1日から廃止される予定となっている。

 仮にこの17.1円がそのまま店頭価格に反映された場合、軽油価格は最大で17.1円/L下落する可能性がある。

 ガソリン価格には消費税10%が課税されているが、軽油引取税は消費税の課税対象外であるため、価格変動の理論値は税額分の17.1円が基準となる。

 現在の全国平均軽油価格143.8円/Lから17.1円を差し引くと、理論値では約126.7円/Lとなる計算だ。

 ただし実際には、原油価格や為替、流通コスト、補助制度の動向などが影響するため、全額がそのまま価格に転嫁されるとは限らない。

軽油引取り税が廃止されると物流コストはどうなる? 年間いくらコスト削減になる?

トラックの新車登録台数で約9割を占めるディーゼルエンジン搭載車。日本トラック協会も、以前から軽油引取税の暫定税率廃止を政府に強く要望してきた。同協会は「物流の99%はトラック輸送に依存しており、軽油価格の負担軽減は物価対策そのもの」と訴えている
トラックの新車登録台数で約9割を占めるディーゼルエンジン搭載車。日本トラック協会も、以前から軽油引取税の暫定税率廃止を政府に強く要望してきた。同協会は「物流の99%はトラック輸送に依存しており、軽油価格の負担軽減は物価対策そのもの」と訴えている

 軽油価格の変動はディーゼルエンジン搭載車のトラックが約9割を占める物流業界に直撃する。トラック、バス、建設機械など、日本の産業基盤は軽油で動いているからだ。燃料費は運送会社の経費の中でも大きな割合を占め、価格が1円変わるだけでも経営に影響が出る。

 具体的な試算をしてみよう。仮に軽油価格が17円/L程度下がると仮定する。

 大型トラックが月1万km走行し、実燃費が3km/Lとすると、月間使用量は約3,333Lになる。これに17円を掛けると、月あたり約5万6000円の燃料費削減効果が生まれる。年間では約67万円に達する計算だ。

 中型トラックで月6000km、燃費5km/Lの場合、月間使用量は1200L。削減効果は月約2万円強、年間で24万円前後となる。

・大型トラックの実用燃費:約3~3.5km/L
・中型トラックの実用燃費:約5~8km/L
・小型トラックの実用燃費:約4.5~6.5km/L
※日本トラック協会の調査。ただし走行状況、荷物の積載量によって異なる

 もっとも、物流コスト全体が同じだけ下がるわけではない。人件費や車両価格、整備費、保険料などは依然として上昇傾向にある。また、燃料価格の低下分がそのまま運賃値下げ圧力として荷主側から求められる可能性もある。燃料費の削減が業界の利益として残るのか、それとも市場競争で相殺されるのかは、今後の価格交渉次第だ。

 さらに軽油引取税は地方財源でもあるため、税収減をどう補うのかという問題も残る。道路維持や地域交通支援の財源構造が変われば、長期的には別の形でコストが跳ね返る可能性も否定できない。

軽油引取税の暫定税率が17.1円上乗せされている(出典:国土交通省)
軽油引取税の暫定税率が17.1円上乗せされている(出典:国土交通省)

 ガソリン暫定税率はすでに歴史的転換点を迎えた。そして今、軽油引取税の暫定税率が大きな焦点になっている。2月12日現在の全国平均価格はレギュラー155.5円、軽油143.8円。この数字を基準にすれば、軽油税制の見直しは燃料市場にも物流経済にも少なからぬ影響を与えるだろう。

 懸念されるのは、暫定税率廃止を理由に荷主等から一方的な運賃値引き要請が強まること。運輸労連はあらゆる機会を捉え、関係各所に対し、安易な値下げが行われないよう要請行動を展開している。

 いっぽう、燃料価格が下落した場合であってもトラック運送業における適正取引の徹底を求める文書が、国土交通省・中小企業庁・公正取引委員会の3者連名で、農林水産省、経済産業省、国土交通省を通じて、所管する荷主団体や全日本トラック協会に対して要請として伝達された。以下の点が明確に示されている。

・燃料価格の下落を理由とした一方的な運賃引下げ要求の禁止
・下請代金支払遅延等防止法および独占禁止法の遵守
・適正な運賃・料金の収受の確保

 4月1日の軽油引取税暫定税率廃止によって物流コストが下がり、物価下落につながることを誰もが望んでいる。ぜひ実現を!

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