シンプルでありながらこだわりを感じる商品ラインナップで人気の、無印良品やMUJIブランドを展開する良品計画。その良品計画が企画、販売を行ったクルマがあったことをご存知だろうか? 2001年4月に発表された「MUJI Car 1000」と呼ばれるもので、同社が運営していた当時の通販サイトである「ムジ・ネット」を通して1000台限定で販売されたのだ。
文:小鮒 康一/画像:日産
ベースに選ばれたのは日産のベーシックカー
このMUJI Car 1000(ムジ・カー 1000)だが、当然ながら良品計画に自動車を開発、生産する環境はなかったため、ベース車として日産 2代目マーチが選ばれた。ただマーチをそのまま販売したわけではなく、かなりの部分で変更がなされていたのだ。
ボディカラーは専用のマーブルホワイトでフロントグリルもシンプルな専用品となり、テールランプは後期型でありながら前期型マーチに採用されていたシンプルなものが選ばれていた。
さらに前後バンパーやドアミラーは無塗装となるが、実用性を考慮して電動格納ドアミラーの機能は有していたほか、エクステリアには日産やマーチのエンブレムはなく、非常にシンプルなものに仕上がっていたのだ(ステアリングセンターには日産マークがあった)。
3ドアハッチバックボディが選ばれていたことからも分かるように、基本はフロント2座で、リアシートは畳んで荷室として使うことを想定していたため、フロントシートはクロス表皮だったのに対し、リアシートやラゲッジはビニール素材として防汚防水性能を与えつつ、家族が増えることも見越してISO FIX対応チャイルドシートアンカーも備わっていた。
パワートレーンは高い環境性能とイージードライブを両立した1Lエンジンと4速ATの組み合わせのみとなっており、車両本体価格は93万円とリーズナブルな価格となっていたのも無印良品を感じる部分だった。
ちょっと当時にしては購入方法がややこしかった
そして予約購入したユーザーには特典としてMUJI Car 1000の発売を機に開発された折りたたみ自転車がプレゼントされ、荷室に積載して出先で乗ることを考慮したものとなっていたのも特徴だったのだ。
そんなMUJI Car 1000だが、無印良品の店舗ではクルマの販売や整備をすることはできないため、販売窓口は日産自動車販売店となり、予約後の正式注文や納車、その後の点検などは購入者の最寄りの日産ディーラーが受け持つこととなっていた。
このようにやや煩わしい購入方法だった上に、当時はまだネットでクルマを予約注文するというのはハードルが高かったのか、限定1000台で販売するとしたものの、実際に販売されたのは200台を下回るものとなってしまったのだった。















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