コンパクトなモデルを得意とするダイハツ。そんなダイハツはコペンを始め、ホットなモデルも定期的にリリースしてきた。そのほかにも2025年のオートサロンで展示されたミライース GR SPORTも手の届くホットモデルだ。そんなダイハツにはホットなトールワゴンであるYRVというホットモデルもあった。
文:小鮒 康一/画像:ダイハツ
【画像ギャラリー】小さくて速いヤツはダイハツのお家芸! トールワゴンだってナメんなよ? スタイルから走りまでホットなYRV!(18枚)画像ギャラリークラス最強の1.3LターボをラインナップしたYRV
2000年8月に発売を開始したYRVは、1L及び1.3Lのエンジンを搭載するコンパクトカーで、全高1535mmから1565mmと比較的高めのトールワゴンスタイルを持つ5ドアハッチバック車として登場した。
当時各メーカーからリリースされていた使い勝手の高いコンパクトトールワゴン界隈に後発モデルとして殴り込んだ1台であったが、ダイハツとしては、スペースユーティリティの高さに軽快な走りを融合させたコンパクトカーと称しており、その付加価値として走りの良さを挙げていたというワケだ。
プラットフォームはコンパクトカーのストーリアと共有していたものの、スタイルは全く異なっていた。特に「ダブルウェッジスタイル」と名付けられたベルトラインをBピラー以後で再度反転させるZ型のサイドビューは、欧州のデザイナーからも注目を集めるものとなっていた。
そのほか、パノラマガラスルーフをオプション設定するなど、ライバルにはない個性を持ち合わせていた。
またもや「MTがあれば……」案件
ただ何より他のライバルと差別化を図っていたのがトップグレードに搭載されたK3-VET型エンジンで、1.3Lの排気量ながらターボで過給することで140psを叩き出しており、この出力は当時の同クラスでは最強のもの。
さらに車両重量は最も重いグレードでも990kg(デビュー時)と1トンを切る軽量ぶりで、さぞかし走りを重視するユーザーにウケるだろうと思われたのだが、なんとターボモデルは4速ATのみのラインナップ(NAモデルには5速MTも存在)だったのである。
のちにBBS製アルミホイールや15mmローダウンとなる専用サスペンションを標準装備し、レカロシートをオプションで用意した「ターボR」なるグレードの追加などもあったが、結局ターボのMTという組み合わせは最後まで用意されることはなく、ホットモデル好きの心を掴み切れずに1世代のみで終売となってしまった。
ターボにMTが設定されなかった理由は、クラッチの容量の問題とされているが、当時のアフター品としてブーストアップを施したスターレットターボに余裕で対応するものなども存在していたため、ダイハツにはもう一歩踏み込んでもらいたかったというのが正直なところだろう。




















コメント
コメントの使い方yrvのターボRに乗っています。ブースト
アップ、サブコン等、チューニングしていますが加速はより良いですね。小回りもきくし。アフターパーツが少ないのが、ネックですね。
YRVも、きちんと育てればソリオやスイフトスポーツにも負けない車にできたのに、広報が弱いのか、存在すら知られない珍車になってしまった。軽のソニカやMAX同様、売れなきゃやめる潔さが、ブランド力低下にもつながっただろうな。
ヴィッツターボに5MTあったのですからグループのトヨタやアイシンから供給して貰ってもよかったのにね。