日産と鴻海が、協業を再検討するのではないかという報道が飛び交っている。まだ仮定の域ではあるが、閉鎖の噂がある追浜工場が存続する可能もあるという。ならば期待も込めて、そこで作られそうな電気自動車を予想してみようじゃないか!
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車、Foxtron
【画像ギャラリー】ピニンファリーナデザインの「モデルB」をじっくり見てよ!(8枚)画像ギャラリー年間24万台の生産能力をどうやって埋めるか?
一度は決裂した日産と鴻海の提携だが、EV生産の協業という形で連携するのではないかという報道がなされている。日産自動車自身は、この報道に関して当社の発表したものではないとコメントしているのだが、気になるのは両社の提携によって追浜工場が存続するのではないかという話題だ。
いうまでもなく同工場は、経営再建に伴う閉鎖が噂されているわけだが、仮に今後も稼動を続けるとなれば、地元はもちろんクルマ好きにとっても喜ばしいニュースといえる。
追浜工場は現在、ノートとノートオーラを生産しており(※リーフはモデルチェンジに伴い栃木工場へ移管)、両車を合わせた国内販売台数は年間約10万台。いっぽう追浜工場は年間24万台という生産キャパを抱えているから、報道は、そのすき間を鴻海との協力で埋めようという見立てだ。
とはいえ現在の日本で、年間10万台売れるBEVを作るというのは至難の業。関東圏での生産となるため、コスト面で割高になる要素もあるはずだが……。
三菱OEMも合わせて小型SUVを生産しては!?
こうした点も踏まえたうえで、追浜工場で何を作るのか? ここからはベストカーWebの「妄想」だが、鴻海が「モデルB」と呼ぶコンパクトSUVは有力じゃなかろうか。
モデルBとはもともと、鴻海(正確には子会社のフォックストロン)が、自社のEVプラットフォーム「MIH」を売り込むために作ったプロトタイプ車両の呼び名だ。
とはいえこのクルマは、デザインをイタリアのピニンファリーナに発注しており、鴻海とともにフォックストロンに出資している台湾の裕隆汽車(日産とは現地生産工場として縁も深い)が、「ラクスジェンn5」として発売する予定ともなっている。
なんでそのモデルBが有力なのか。実はこのクルマ、一足先に鴻海と提携した三菱自動車が、同社のオセアニア向けの電動SUVとして採用予定だからだ(三菱車としての外装変更などは行われるはず)。
追浜の稼働力を上げるには、そのモデルBを日本にも導入し、三菱向けと日産向けの双方を追浜で生産するのが近道ではなかろうか。三菱のオセアニア向け車両は台湾生産のはずだが、鴻海がその生産ラインを追浜に移設し、日産エクストレイルと三菱アウトランダーのように兄弟車として作り分けるのだ。
こうすればほぼ単一の車種で、それなりの台数をさばくことができる。できれば海外向け車両も追浜で手がけたい。追浜には自動車運搬船が停泊できるバースがあるからだ。
モデルBは全長4.3m級の電動SUV
改めてモデルBとはどんなクルマか、だが、4,3m級の小型電動SUV。サイズ的にはホンダWR-Vや日産キックスが近いが、ホイールベースが2800mmもあるので、車内の広さは段違いと予想する。
駆動方式はリアモーターのRWDとデュアルモーターの4WDが選べる。シングルモーターの出力は170kW(約230ps)で、バッテリーは60kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池、航続距離は500km程度となるだろう。
小型SUVは、EV化が進んでも当面は主力マーケットであり続けるはずだから、その意味でもモデルBは「脈がある」。もちろん日本で売られる際にはフォックストロン モデルBという名前は消え(同社はあくまで生産受託会社)、日産あるいは三菱車の名前で市販されることになる。
さていかがだろう。繰り返すがここまでの話題はあくまで編集部の妄想。日産がどんな決定を下すのかは、期待も込めて楽しみに待ちたい。











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