ランクルが765台と急増!! 警察庁が2025年上半期盗難車ランキングを発表! 前年と比較で見えた傾向とは

CANインベーダーに変わる任天堂ゲームボーイ型の盗難防止装置

GAME BOY型の盗難装置が台頭してきている(dannyburm@Adobe Stock)
GAME BOY型の盗難装置が台頭してきている(dannyburm@Adobe Stock)

 CANインベーダーに変わる新たな手口がゲームボーイです。盗難装置が任天堂のゲームボーイに似ていることからそう呼ばれています。クルマと直接交信してキー情報を引き出して純正キーと同様のコードをやり取りするので、車体側はドアロックを解除し、エンジンを始動してしまうのです。

 つまり純正キーが車体からコピーできてしまいます。そもそも、この方法は、スマートキーが故障したり、紛失してしまった場合にキーを複製するために用意されていたものですが、それを悪用されてしまったというわけです。これは秘匿性の高いチャットツール「テレグラム」を使って、ロシアや欧州から輸入されているとのことです。

 さらに、2024年秋あたりからSNSなどで報告されている新たな手口が、助手席側ドアやリアゲートなどに10cm四方の穴を開けられ、CAN(通信ネットワーク)に接続する方法。ドアを開けてエンジン始動のほか、キー複製機能まで付いています。

 自動車盗難防止協会によれば、2022年11月1日以降のランクル300やランドクルーザー250、アルファード&ヴェルファイアなどの新型車種には、CANインベーダー対応のメーカー純正セキュリティシステムがついていますが、このボディに穴を開けられる新たな手口には対応していないとのことです。

 当初はフロントフェンダーをずらしてつなぐ手口でしたが、助手席側ドアやリアゲートに穴を開ける方法に変わってきたわけですが、2025年7月中旬の最新情報では、ボディに10cm四方の穴を開けると、走行している時に目立つため、リアタイヤハウスの中からCANにつなぐ方式に変わってきているとのこと。

 実際にリアタイヤハウス内の穴を開けられたものの、社外品のセキュリティシステムが装着されていたため、盗難未遂となったのランクル250オーナーからの情報によれば、リアゲートが開かなくなっておかしいと思ってディーラーに持ち込んだところ、ジャッキアップしてようやく判明したとのことです。

 いまのところ、対策としてはやはりドア開閉機能とエンジンストップ機能の2つのキーが用意される社外品のセキュリティシステムを装着するしかないとのでした。

 日本自動車盗難協会では、2025年7月下旬までには、この穴あき盗難防止対策のビデオを公開するそうなので興味のある方はぜひ!

日本自動車盗難防止協会のホームページはこちら

クルマを盗難から守るためにできること

 純正セキュリティだけでは不十分な時代となった今、オーナー自らの防犯意識がより重要になっています。以下に、実用的な対策をまとめます。

1【社外製セキュリティの併用】
 アラーム、GPS追跡装置、ステルスセキュリティなど、後付け機器を導入することで窃盗犯のリスクを高めます。

2【物理ロックの活用】
 ハンドルロックやペダルロックは「面倒くさそうなクルマ」と思わせるために効果的です。見えるところに装着するのがポイント。ただ1万円以下で販売されている安いものは役に立ちません。おススメはKITACOのハンドルロックです。

3【スマートキーの電波遮断】
 キーケースに電波遮断素材を使う、あるいは節電モードを設定することで、リレーアタックを防ぎやすくなります。

4【駐車環境の見直し】
 防犯カメラ付きのガレージや、街灯のある見通しの良い場所を選ぶことで、犯人への抑止効果が期待できます。

5【万一に備えて保険とGPSを!】
 万が一の盗難に備えた車両保険や、車両位置を追跡できる装置も有効な選択肢です。

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