海外の残念な復刻車
●ダッジ ダート
ダートはアメリカのクライスラーがダッジブランドから1961年にリリースされた乗用車で、1976年に生産が終わった4代目まで続き、2012年に復活した。
初期のダートに関しても1年ごとのモデルチェンジやそのスタイルの変遷など話題が多いのだが、今回は2012年の復刻版ダートを紹介する。
36年の時を経てよみがえったダートは、4代目までとは大きく異なるモデルになっていた。
最大の違いは、4代目までが純粋なアメリカ車だったのに対して復刻版はイタリアのアルファロメオ ジュリエッタと兄弟モデルだったこと。
これはこの時点でクライスラーとアルファロメオが同じ自動車メーカーグループに属していたからであり、ジュリエッタのプラットフォームを流用することでコストを下げられるなどの利点があった。
しかし、イタリアンテイストのダートはアメリカのユーザーには受け入れられず、販売成績は振るわなかった。
結局ダートの製造販売は2016年に打ち切られることになった。
「素早い動き」を意味する車名のダートは、悪い意味でその名をなぞるかのような速さで市場を駆け抜けていった。
●アルファロメオ ジュリア
イタリアのアルファロメオから2016年にリリースされた4ドアセダンのジュリアは、1960~1970年代に販売されて人気を博したモデルと同じ名称を持っていた。
初代ジュリアは1962年に登場。当初は4ドアセダンのみだったが、やがてさまざまな派生モデルが生まれ、特に2ドアクーペのジュリア スプリントGTは、その美しいフォルムで人気を集めた。
そんなジュリアが30余年の時を経て復活することになり、当然ながら往年のジュリアを知る人からの期待も高まった。
だが、新生ジュリアのボディデザインはアルファロメオらしい流麗なものにもかかわらず、大型化されていたこともあって、かつてのジュリアとはかなり趣の異なるクルマになっていた。
つまり、先に紹介したトヨタ 86のように名称こそ同じだが、2代目ジュリアはあくまで2010年代に適した4ドアセダンであり、先代とは位置づけも違っていた。
初代ジュリアのファンには期待外れだったが、2代目ジュリア自体は評価の低いクルマではなかった。
内燃エンジンのみを使用する現行型ジュリアはハイブリッド&電動化の流れもあって2025年での生産終了が決定している。
将来的に再びジュリアの名称が復活するのかは不明だが、伝統のある車名だけに、その可能性も否定できない。
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