外国人観光客、いわゆるインバウンドの増加に沸く日本。レンタカーを利用する外国人観光客は多く、筆者の働くレンタカー店でも、日によっては7~8割が外国人ということもあります。貸し出しには国際免許証が必要ですが、免許の不備によりお断りするケースも。貸し出し時に多い国際免許トラブルを紹介します。
文:ゆーたGVB(Team Gori)/写真:写真AC
日本で有効な国際免許証は「ジュネーブ条約」加盟国のみ
国際免許証には、「ジュネーブ条約」と「ウィーン条約」という2種類の様式があります。自分の国がどちらの条約に加盟しているかによって、発行される国際免許証の様式が異なります。日本はジュネーブ条約のみに加盟しているため、同条約に基づく様式で発行された国際免許証がない場合は、日本で運転することはできません。
レンタカーで外国人に貸し出す場合に最も多いトラブルが、日本では無効な国際免許証を持ってきて、当日貸し出し不可となるパターンです。条約以外にも有効期限が切れている場合や、発給権限のない機関が発給した国際運転免許証のためNGとなることも多いです。
2つの様式の国際免許証を見分けるのに、最も簡単な方法は表紙に記載された年数を確認することです。ジュネーブ条約は「1949年」、ウィーン条約は「1968年」と表記されています。
二国間協定を結んでいる場合の翻訳文忘れに注意
外国人が日本で運転する場合、国際免許証がなくても「二国間協定」を結んでいる国であれば、自国の免許証と翻訳文で運転することができます。日本が二国間協定を結んでいる国はスイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾の7カ国のみとなっています。
レンタカーの貸し出し時に多いのは、翻訳文を持っていないケースが最も多いです。翻訳文は大使館で発行してもらうか、JAFのウェブサイトで申請し自分でコピーする必要があります。即日発行できない場合は、貸し出し不可となる可能性があります。
近年は偽物の国際免許が出回っているため要注意
外国人観光客の増加に合わせて、偽物の国際免許証が多く出回るようになってきています。中国やメキシコ、ブラジルなど、日本で有効な国際免許を発行していない国の方に多く、自国で発行する時に「日本で運転可能」と騙されているため、説明して理解してもらうのはなかなか大変です。
また国によっては国際免許証の様式が統一されておらず、同じジュネーブ条約の国際免許証でも数種類を発行している国もあります。
日本で有効な国際免許証を発行している国でも、様式によっては無効となるものも存在するため、借りる側も貸す側も気をつけなければいけません。
外国人観光客が日本で運転するためには、決められているさまざまなルールを守らなければいけません。レンタカーを借りに来ても、免許不備で利用できない場合は多々あります。私たちが外国に行き、レンタカーを利用する場合も、事前に必要なものをしっかり調べていくようにしましょう。






コメント
コメントの使い方レンタカー屋さんも国際化で大変ですね。