今ではバスやトラックなど、物流を支える働くクルマのメーカーとして知られるいすゞだが、過去には乗用車を製造・販売していたということを知っている人も多いだろう。乗用車については1993年で開発・製造が終了しているものの、SUVは2002年9月まで生産・販売が続けられ、こちらも未だに評価の高いモデルが複数存在している。そんな中で高い知名度を誇っているのが、ビッグホーンだろう。
文:小鮒 康一/画像:いすゞ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】レンジローバー似といえばそうなんだけど…… ぶっちゃけかっこいいよね! 初代&2代目 いすゞ ビッグホーン!(17枚)画像ギャラリーRVブームを先取りしていたビッグホーン
1981年に初代モデルが登場したビッグホーン、当初の正式名称は「ロデオビッグホーン」であり、当時4WDピックアップトラックであったロデオの派生車種であることを示していた。
このピックアップトラックをベースとしたSUVというのは、のちにハイラックスサーフやパジェロ、テラノといったモデルが登場するが、ビッグホーンはこれらの車種に先駆けて登場したモデルだったのだ。
ただ当初はあくまでピックアップトラックをベースとしたバンモデルという位置づけで、今の高級SUVのような華美な装備も高い動力性能も持ち合わせていない簡素なモデルとなっていた。
コラボモデルがかっこよすぎる!!
しかし世のRVブームが本格化するにつれてビッグホーンも着実に商品力をアップさせ、1984年1月にはディーゼルターボモデルを追加し、翌95年6月にはロングボディの5ドアモデルを設定。
さらに1987年10月にはドイツのチューニングメーカーである「イルムシャー」が足回りのチューニングを手掛け、レカロシートとMOMOステアリングを標準装備とした仕様をリリースし、89年11月にはイギリス(当時)の「ロータス」が足回りを手掛けた「スペシャルエディション・バイ・ロータス」がリリースされるなど、コラボレーションモデルが存在していた点も印象的だった。
このロータスやイルムシャーがチューンしたモデルは、好評だったのか1991年に登場した2代目モデルには当初から設定されることになった。「ハンドリング・バイ・ロータス」は上級仕様というポジションも兼任しており、本革シートやメッキモールなどが備わっていた。
え!? アキュラ版まであったの!?
またこの2代目ビッグホーンはスバルやホンダへOEM供給もなされており、北米市場ではホンダの高級車ブランド「アキュラ」からSLXとして販売されるほどで、初期モデルの簡素な仕上がりが信じられないほど上級なモデルへと進化していたのだ。
そんな2代目ビッグホーンは高級感も兼ね備えながらも、いすゞらしいタフネスさと高い走破性を持っていたことで、未だに愛用するユーザーも少なくない名車となっている。




















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