警察庁が発表した2025年上半期(1月〜6月)の交通死亡事故発生状況によると、スマホなどを操作しながらの運転に起因する死亡・重傷事故件数が、統計開始以来最多を記録した。自らの肌で感じた“ながら運転”の状況を国沢光宏氏が語る!!
※本稿は2025年8月のものです
文:国沢光宏/写真:AdobeStock(トップ画像=hakase420@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2025年9月26日号
口酸っぱく「ダメ」と言われているのに無くならない!
警察庁が発表した2025年1〜6月の交通事故発生状況によると、スマホなどを操作しながらの「ながら運転」に起因する死亡/重傷事故の件数が、統計のある2007年以降で最多の68件にのぼったらしい。
“ながら運転”は取り締まりの対象になっており、普通車1万8000円。大型車2万5000円の反則金に加え、6点加算。2回取り締まられたら免停という厳しい罰則が待っている。
なのに減らないから困ったもの。“ながら運転”の割合は驚くほど高いと思う。
自分でハンドル握っている時はあまりわからないけれど(そんなことしたらよそ見運転になります)、先日のこと。吉祥寺というJRの駅から羽田空港に向かうバスの中から渋滞してる首都高4号線を走っているクルマを見たら、もはや普通に携帯持って運転してる! なかにはタブレットを操作している人までいた。
自動ブレーキなしの大型トラックすら“ながら運転”が珍しくない。100歩譲って、渋滞中であり、自動ブレーキが付いているクルマなら事故を起こす可能性は限りなく低い。
一方、自動ブレーキなしの車両で流れのいい高速道路を走っているようなクルマの“ながら運転”は死亡事故に直結する。高速道路の追い越し車線をチンタラ走っているようなクルマの多くは“ながら運転”している可能性大。
どうしたらいいか? こらもう簡単。危険性の高い状況を最優先に取り締まればいい。
警察は速度違反を大好物にする傾向ながら、今や事故原因の少なからぬ数が“ながら運転”だと警察自ら言ってる。だったらガンガン取り締まればいいでしょう!
“ながら運転”の取り締まりは簡単だ。見通しのいい場所から望遠レンズ付のカメラで走行中のクルマをチェック。
携帯端末を持っていたら、待機させていたパトカーに連絡して捕まえればいいだけ。携帯端末を手に持って運転している動画あれば、取り締まられたドライバーがゴネたって証拠残ってます。
こういった取り締まりをガンガン行うと、すぐSNSなどで情報出回るため、違反者は減っていくだろう。警察の取り締まり、偏っているような気がするのは私だけじゃないと思う。
「待ち伏せの取り締まり」を行えば“ながら運転”だけでなく、3車線区間の大型貨物の通行区分帯違反(3車線ある区間では一番右車線を通行したら違反)などもキッチリ検挙できることだろう。
本来なら正義の味方になってほしい警察ながら「よくやった! 頑張ってますね! ありがとう!」という仕事がまったく見えない。「嫌われても、よい警察官になりたい」という人は少なくないと信じたい。






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