近頃、新車を注文してから納車されるまで、半年から1年かかるのが普通になってきた。しかし、新車納期が長い今でも、非常に短い待ち時間でほぼ新車に乗り換える方法がある。年末年始に買いの時期を迎える、登録済み未使用車を紹介していきたい。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ・Adobe Stock(メイン画像= xiaosan)
【画像ギャラリー】登録済み未使用車が多数!! スライドドア搭載で話題の「ダイハツ ムーヴ」をギャラリーでチェック(21枚)画像ギャラリー軽自動車ではめちゃくちゃ多いのよ! 不思議な存在の登録済未使用車
中古車販売サイトやディーラーのイベント広告でよく見かけるのが「登録済未使用車」という言葉。まず、このクルマがどんなものなのかを紹介していこう。
読んで字のごとくなのが、正体は「登録を済ませたが使われていないクルマ」だ。登録済みということは既にナンバープレートが発行されており、車検証もあるわけだが、特定のユーザーの手には渡っていないクルマということ。販売会社が所有権を持っていて、厳密に言えば、ほぼ新品同様の状態の中古車というわけ。
ただ、中古車とは言え新車状態からほとんど走行せず、走行距離が十数kmのクルマたち。普通に使うのであれば、新車と何も遜色はない。デメリットとしては、好きなメーカーオプションを選べないということと、ワンオーナー車ではないので、リセールの面で少しマイナスというくらいだろう。
登録済未使用車が生まれる理由
新車ディーラーでは、日々お客様からの注文を受け、メーカーに新車をオーダーしている。基本的には、オーダーしたクルマが、オーダーした仕様で、オーダーした数だけ届くのだが、中には「毎月〇台注文してね」と注文台数の最低値を決められている車種も存在する。
指定された台数を顧客への営業活動で売り切ることが求められるのだが、売れない月があるのも事実。こうした場合に、メーカーへオーダーしても顧客の元へ渡らない余った新車が生まれることとなる。これが登録済未使用車の原点だ。
こうして生まれた余剰のクルマは、一定期間「在庫車」として販売される。人気の色やオプションを付けて発注してあるので、ここで買い手がつく場合も多い。
在庫車としてもユーザーの手に渡らなければ、ディーラーで使用する試乗車や社用車に化けるコースもある。しかし、このコースにも乗れないクルマは、いよいよ登録済未使用車へと生まれ変わることとなるのだ。
ここで行われる「登録(ナンバー取得)」もディーラーの実績になるため、登録は決算期や年末に行われることが多い。決算の数字を良くするためや、シェア争いに勝つために、登録済未使用車を使うこともあるのだ。
特に多いのは年末の登録。これは正月の初売りで、登録済未使用車を目玉商品にできるため。ここが登録済未使用車の買い時でもある。
専門業者が増えたことが、登録済未使用車増加の要因?
新車に乗りたいが、待ち時間がネックになっているというなら、登録済未使用車は選択肢としてアリだ。既に生産され、登録も終わっているため、保証継承や整備の時間を含めても、1か月もあれば注文から納車までたどり着く。
特に軽自動車では登録済未使用車が生まれやすい傾向にある。シェア争いが激化しているのが大きな要因だが、軽自動車の登録済未使用車を専門的に扱う業者が増えていることも、増加の要因になっているだろう。
登録済未使用車の旬は限定的だ。その旬が、これから迎える年末年始の時期である。来年へ向けて新車を購入検討しているなら、登録済未使用車を選ぶのもアリかもしれない。
























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