アウディのクルマに乗ってる感が希薄!? 電動化が進むアウディのBEV「A6 スポーツバック e-tron」とHEV「Q5」の走りは?

アウディのクルマに乗ってる感が希薄!? 電動化が進むアウディのBEV「A6 スポーツバック e-tron」とHEV「Q5」の走りは?

 2025年7月に日本での販売をスタートしたアウディ A6。アウディのBEV「e-tron」の一台だが、最大の注目ポイントは国内最長を誇る769kmの航続距離。充電を忘れそうなほど長大な航続距離を持つBEVを西川昇吾氏が試乗レポート!!

※本稿は2025年10月のものです
文:西川昇吾/写真:中里慎一郎
初出:『ベストカー』2025年11月26日号

【画像ギャラリー】航続距離は国内販売BEV最長の769km!! 最新技術で武装した「魔法のじゅうたん」アウディ A6 e-tron(16枚)画像ギャラリー

疲労を感じさせない「魔法のじゅうたん」

アウディ A6 スポーツバック e-tron。2025年7月に日本での販売を開始
アウディ A6 スポーツバック e-tron。2025年7月に日本での販売を開始

 A6は航続距離が国内最長のモデルとして登場。それが今回の新型の最大のポイントだが、BEV好きが注目しそうな点は乗り味にも現われていた。

 正直にいえばドイツ車的といったフィーリングは薄く、最近のBEVらしいインフォメーションが希薄な乗り味だ。特にそれが目立つのがステアフィールで、フロントタイヤからの情報が少ない感触であった。

 大げさに言えば「クルマ」的な乗り味は先に登場したQ6 e-tronのほうが強かったといえる。BEV愛好家で新しいもの好き系の人なら受け入れられるはず。

小型カメラシステムを搭載することで、後方の様子が車内のタッチディスプレイに映し出される。空気抵抗と風切り音も低減
小型カメラシステムを搭載することで、後方の様子が車内のタッチディスプレイに映し出される。空気抵抗と風切り音も低減

 ただ、何も悪いことばかりでない。驚いたのはそのフラットな乗り心地だ。「魔法のじゅうたんの上にいるよう」とはよく言ったもので、不快な振動を感じない。

 リアに座ったカメラマンからも好評で、スポーツサルーンというよりショーファーカー的なキャラクターが強い印象だ。運転しても「まったり行こうか」というような気分になる。

 驚いたのが次世代ARディスプレイだ。以前のHUDよりも高い位置にある印象で、慣れれば目線移動が少なくて済む。

 長い航続距離と少ない視線移動、そして高いコンフォート性能。BEVのなかでもトップの長距離疲労度の少なさを誇るだろう。充電性能も高いし、ロングラン試乗を是非とも試したい。

●アウディ A6 スポーツバック e-tron performance 主要諸元
・全長×全幅×全高:4980×1925×1495mm
・ホイールベース:2950mm
・車両重量:2220kg
・パワーユニット:永久磁石同期電動機
・総電力量:100kWh
・モーター最高出力:367ps
・モーター最大トルク:57.6kgm
・駆動方式:RWD
・1充電走行距離:769km
・価格:981万円

第3世代Q5はちょうどいい最前線

アウディ Q5。全長×全幅×全高:4715×1900×1650mm/ホイールベース:2820mm/パワーユニット:2L直4 DOHCターボ/最高出力:204ps/価格:788万円
アウディ Q5。全長×全幅×全高:4715×1900×1650mm/ホイールベース:2820mm/パワーユニット:2L直4 DOHCターボ/最高出力:204ps/価格:788万円

 3代目となったQ5は、新世代プラットホームPPCとMHEV+がハイライトだが、乗って実感したよさはFSDと呼ばれるダンパーシステム。

 電制ではなく機械式のこのシステムはリニアに反応し、SUVとは思えない落ち着きのある乗り心地とワインディングでも不満をまったく感じないロールの少なさを実現していた。

 オプションではエアサスも用意されているが、「正直これなら必要ないでしょ」というのが本音だ。ディーゼルであっても静粛性が高いことにも驚いた。MHEV+は「マイルド」の名が嘘かと思うほど積極的に電動走行をしてくれた。

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…