センチュリーを最高級プレミアムブランドとして独立させるというトヨタの戦略。当然、レクサスの立ち位置は大きく変化する。プレミアムブランドでありつつ、もっと自由で革新的なものを目指す。その提案がこのレクサス LSコンセプトだ!!
※本稿は2025年11月のものです
文:ベストカー編集部/写真:レクサス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
セダンじゃない!? 驚愕のレクサス LSコンセプト
トヨタグループのブースが集結したJMS南ホールでもひときわ異彩を放っていたのがレクサスブースの中心に鎮座した「LS Concept」だろう。
LSの名を冠しながら、そのプロポーションは大型ミニバン。しかも後輪は2輪の小径タイヤが並んでいる。
LSといえばレクサスのフラッグシップで初代セルシオ(輸出名レクサス LS)以来、ブランドを代表するフラッグシップサルーンとして国内のみならず、北米などグローバルで確固たる地位を築き上げてきた。
この変革にはセンチュリーのブランド独立化を含めたトヨタのブランド再構築が大きく関係している。
つまり、センチュリーがプレミアムブランドの最高峰となることで、レクサスはラグジュアリーの中心で、もっと自由に、革新的に進化することができる。そのメッセージのひとつが、このラグジュアリーミニバンに進化したLSなのだ。
「ラグジュアリーであること」へのひとつの回答
このLSコンセプトは、多様化するユーザーのニーズに応えられれば、フラッグシップは4ドアセダンである必要はない、と再定義した。
セダンである理由はなく、ゆったりとしたスペース、自由な使い方ができる空間があればいい。その結論が3列シートのミニバンだったという回答だ。
一見奇抜さを狙ったかに思われる3軸6輪だが、これには大きな意味がある。
アルファードほどの車体サイズがあったとしても、大きな外径の後輪を収めるタイヤハウスが室内、3列目シートの両サイドに張り出してしまう。これが3列目の横幅を狭める。スライドドアからの乗降時にも、2列目シートを前倒、スライドさせて3列目へとアクセスしなければならない。
後輪を小径化することで室内に張り出すタイヤハウスは解消できるが、2輪のままでは重たい車重を支えることはできない。そこで、後輪を2軸4輪とすることで、小径化と耐荷重を両立することを可能とする。このための、必然が生み出した6輪車なのである。
現時点で車体サイズやパワートレーンなどの具体的な情報はいっさい明らかにはされていない。歩幅で計測したところ、後輪2軸の中間地点と前輪アクスル間は約3m、全長は約5.5mと推測。レクサス LMよりもさらに大型の、まさにフラッグシップと呼ぶにふさわしいミニバンだ。
パワートレーンはBEVを軸としたマルチパスウェイ。PHEVの設定もある、ということか!?


















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