新型リーフの発表、ルークスの好調な受注状況など、勢いを取り戻し始めた日産。ジャパンモビリティショー2025最大の注目はなんと言っても4代目エルグランドのワールドプレミア。現行型登場から15年……ついに新型が姿を現した!!
※本稿は2025年11月のものです
文:渡辺敏史、ベストカー編集部/写真:日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
日本のミニバンの「高級感」を再定義
JMS2025がワールドプレミアとなった4代目エルグランド。目指したのは、「誰もがうらやむ、日本の高級車をイチから再創出したプレミアムツーリングミニバン」だ。
ステージ上に置かれた4代目エルグランドには実に威風堂々とした雰囲気が漂う。ボディサイズは全長4995×全幅1895×全高1975mm(日産測定値)。内外装に日本の伝統工芸「組子」を現代的に解釈した模様があしらわれ、ノートやアリアとも共通する「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を体現した。
新色として採用された「FUJI DAWN」と「至極 -シゴク-」を用いて塗り分けられた2トーンカラーからは、ミニバンに「ラグジュアリー」という概念を持ち込んで成功した初代の息吹が感じられる。
心臓に選ばれたのは第3世代e-POWER。新開発の1.5L、3気筒ターボを発電専用とし、モーターとインバーターを一体化した“5-in-1電動ユニット”が、51.0kgmオーバーの最大トルクを生み出す。
シャシーは現行型のものをベースとするが、電動駆動モデルとするため、新開発と呼べるレベルにまで大幅に刷新された。
電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」はコーナーでリアモーターのトルクを積極的に活用し、気持ちのいいコーナリングを実現。
4輪の減衰力をシーンに応じて可変させることで車体の揺れを抑え、落ち着いた挙動を実現させる「インテリジェントダイナミックサスペンション」と併せ、スポーティな走りも、質感ある走りもかなえるという。
50km/h以下でのハンズオフ走行が可能になったプロパイロットも搭載し、まさに全方位に大きく進化を果たした新型エルグランド。2026年夏のデビューが楽しみな一台だ。
新型エルグランド試作車試乗(TEXT/渡辺敏史)
ラグジュアリーミニバンのパイオニア、その新型はどんな驚きをもたらしてくれるのか。恐らくは新型エルグランドであろう、内外装に厳重にカモフラージュが施された「開発中の新型ミニバン」とされる試作車を、テストコースで乗ったのは8月のことだ。
誰もが気になるであろう動力性能は、120km/h級の速度域でもまったく問題ない。というか、常速域での力感はライバルの同級グレードに勝る感さえある。
発電に最適化された新開発の1.5L・3気筒ターボと、前軸モーターやインバーターを一体的構造とした5-in-1のパワートレーンは、後軸側のモーターを含めて実に51.0kgm超ものトルクを発揮するという。
しかもドライブモードによっては後軸側が積極的に蹴り出すことで、クルマ好きには心地よいと思える旋回感を実現している。
全開負荷でエンジンを唸らせるような状況でも、第3世代e-POWERは静粛性などの快適さにおいてライバルに勝る動的質感を備えている。静的質感や装備、燃費については未知数だが、ドライバー目線で見るなら、これは間違いなく待つ価値のある仕上がりと言えるだろう。


















コメント
コメントの使い方デザイン良いですよね。派手過ぎず、でも満足感を得られるバランス感覚がいいと思います。
こういった利幅がしっかりしたモデルが、大きなヒットとなって日産持ち直してほしいです