ジャパンモビリティショー2025で公開された新型日産 エルグランド。実に16年ぶりのフルモデルチェンジとなる。対してミニバンの絶対王者、トヨタ アルファード/ヴェルファイア。少し気が早いが、両車を比較して見ていきたい。
※本稿は2025年11月のものです
文:渡辺敏史/写真:ベストカー編集部、日産、トヨタ
初出:『ベストカー』2025年12月26日号
王者に挑む!! Lクラスミニバン最新対決
販売的にも内容的にも、そして2025年は風評的にもと、日本代表ミニバンの地位を固めきった感のあるアル/ヴェルに対して、かれこれ16年ぶりのフルモデルチェンジとなるのが新型エルグランド。その開発用車両を試乗した経験から、両モデルの差異に触れてみたい。
新型エルグランドの最大の利は走りの質感にある。e-POWER&e-4ORCEを1.5Lターボで回して、果たしてこの巨体が言うことを聞くのだろうかという心配はまったくの杞憂で、51.0kgm超というシステムトルクでグイグイと車体を押し出していく感覚にはちょっと驚かされた。
エンジンの稼働時もパワーユニットの一体化も効いてか、静かさや滑らかさや水準以上のところにありそうだ。然るべき時は配分をリア寄りにして旋回性を高める一方で、停止時には車両姿勢をフラットに保つなどモーターならではの緻密な駆動制御の活用もアル/ヴェルとの差別化に効いている。
一方で、静的面での説得力はアル/ヴェルの側がわかりやすいかなと思わされるところはあった。人によってはエルグランドのデザインは小利口に過ぎるように見えるかもしれないし、見せどころの中央席の一目瞭然な立派感ではアル/ヴェルに分がありそうだ。
新型エルグランドの発売予定とされる2026年央は、40系アルヴェルも発売から4年目を迎え刷新の噂も聞こえてくる頃だろう。このカテゴリーで再び熱い戦いが繰り広げられることは、日本の自動車業界の活性化にも繋がると思う。
新型エルグランドのシステム出力51.0kgmはかなり魅力的
新型エルグランドはプロトタイプということで正確な評価は下せないが、リベンジを期す日産の意欲作に注目したい。



















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