車両保険はいくらかけるべき? 意外と知らない落とし穴とは

車両保険はいくらかけるべき? 意外と知らない落とし穴とは

 車両保険は、自分の車が事故や盗難で損傷したときに備える保険ですが、自由に好きな金額を設定できるわけではありません。仕組みを知らないまま選んでしまうと、「思っていた補償と違った」と感じることもあります。車両保険の金額設定について、基本的な考え方と見落としやすいポイントを身近な視点から一緒に考えていきましょう。

文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=Andrey Popov@Adobestock)

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時価相当額が基本! でもあえて金額を下げる人がいる

「修理できると思っていた事故が、想定以上に高額になり、結果として全損扱いになる」これは、車両保険金額を時価相当額より大きく下げた場合に起こりやすい落とし穴(Diclonius@Adobestock)
「修理できると思っていた事故が、想定以上に高額になり、結果として全損扱いになる」これは、車両保険金額を時価相当額より大きく下げた場合に起こりやすい落とし穴(Diclonius@Adobestock)

 車両保険の基本的な考え方は、事故が起きた時点でのクルマの価値(時価相当額)を上限に補償するというものです。保険会社は中古車市場などを参考に、そのクルマに設定できる金額の範囲を示します。一般的に車両保険は、この範囲内で時価相当額をそのまま設定するケースが多いです。  

 一方で、保険料を抑えるためにあえて時価相当額の半分程度しかかけないという選択をする人もいます。「小さなキズなら自費で直す」「全損までは想定していない」と考えれば、保険料を抑える手段として合理的に見えるからです。

 ただし、この選択が本当に自分に合っているかどうかは、数字で確認してみないとわからないこともあります。

 Aさんは、長年大切に乗ってきたレクサスCTの保険更新を前に、代理店に 「保険料が上がってきたので、車両保険の金額を下げれば少しは抑えられませんか?」と相談しました。

 代理店から提示された車両保険金額の範囲は、保険会社が設定した時価相当額に基づくものでしたが、Aさんはその下限よりさらに低い 150万円 に設定することを検討しました。

 この時点で重要なのは、保険上でこのレクサスCTの価値が150万円とみなされるということです。

 車両保険では一般に、 「修理費が、設定した車両保険金額以上になるかどうか」が、全損かどうかの判断基準になります。Aさんの場合、修理費が150万円以上になると全損と認定され、受け取れる保険金は上限の150万円までです。

 ここで問題になるのが、実際のクルマの価値とのズレです。市場では同程度のレクサスCTが300万円前後で取引されていたとしても、保険上は150万円のクルマとして扱われます。そのため、全損後に同等のクルマを買い直そうとしても、保険金だけでは大きく足りなくなってしまうのです。

「修理できると思っていた事故が、想定以上に高額になり、結果として全損扱いになる」これは、車両保険金額を時価相当額より大きく下げた場合に起こりやすい落とし穴といえるでしょう。

適正な価格設定で車両保険とうまく向き合おう

今の補償内容が自分のクルマや使い方に合っているかを、一度立ち止まって確認してみることが大切(MSTHIRAMONY@Adobestock)
今の補償内容が自分のクルマや使い方に合っているかを、一度立ち止まって確認してみることが大切(MSTHIRAMONY@Adobestock)

 車両保険の補償額は、金額を高くするか安くするかという単純な話ではありません。購入時の金額とかけ離れて高い場合には、売買契約書などで当時の価格を確認することもあります。ただし、その金額がそのまま車両保険の補償額になるわけではありません。

 最終的には、保険会社が示す範囲をもとに、事情を踏まえて話し合いながら決めていく形になります。気になる点があれば、「こんな設定はできるのか」と一度問い合わせてみることが、納得のいく保険選びにつながるでしょう。

 また、購入時に支払った消費税や、車検・整備といった維持費は、車両保険の評価額には原則として反映されません。だからこそ、車両保険の金額だけにこだわるのではなく、保険契約全体を見直す必要があります。

 例えば、契約したクルマが全損、または修理費が新車価格の50%以上になった場合、新車価格相当額(協定新価保険金額)を限度に保険金を支払う車両新価保険特約や新価特約の契約期間が過ぎた後の補償を考えます。

 クルマが全損になった場合に再取得費用や買い替え諸費用(廃車費用、登録費用など)を補償する、車両全損時特約などを組み合わせ、不足しやすい部分を補うという考え方も有効です。

 今の補償内容が自分のクルマや使い方に合っているかを、一度立ち止まって確認してみることが大切です。保険料と安心感のバランスを見極めながら、車両保険とうまく向き合っていきましょう。

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