大雪で立ち往生してしまった! そんな時どうする? EVのバッテリーは何時間持つ? 気を付けるべきポイントとクルマに積んでおきたいもの

大雪で立ち往生してしまった! そんな時どうする? EVのバッテリーは何時間持つ? 気を付けるべきポイントとクルマに積んでおきたいもの

 冬の路上で突然の大雪に見舞われ、クルマが立ち往生してしまったら――誰もが冷や汗をかく状況である。しかし正しい知識と準備があれば、万一の時も安全に救助を待ちながら命を守ることができる。立ち往生が起きる仕組みから対応のコツ、必要な装備までをわかりやすく解説する。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカー編集部、Adobe Stock(トビラ写真:smoke@Adobe Stock)

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大雪で立ち往生した時に気をつけること

山陽道や北陸道で立ち往生するケースが発生している(Rico Lob@Adobe Stock)
山陽道や北陸道で立ち往生するケースが発生している(Rico Lob@Adobe Stock)

 立ち往生してしまったら、まずは落ち着いて自身と同乗者の安全を確保することが最優先である。クルマは外よりも比較的安全な避難場所となるため、外気温が極めて低い場合はむやみに外に出ず車内で救助を待つのが基本だ。外に出ると低体温症のリスクが一気に高まるため、状況に応じて車内待機を選択しよう。

 ただし、エンジンをかけっぱなしにして暖房を使い続けると、一酸化炭素中毒の危険がある。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、マフラー周辺に雪が積もると排気ガスが車内に逆流するおそれがある。

クルマの排気ガスには、一酸化炭素が含まれる。無臭で気づきにくい一酸化炭素が車内に充満してしまうと、最悪の場合、命を落とすことにも(Ambartsumian@Adobe Stock)
クルマの排気ガスには、一酸化炭素が含まれる。無臭で気づきにくい一酸化炭素が車内に充満してしまうと、最悪の場合、命を落とすことにも(Ambartsumian@Adobe Stock)

 この危険を避けるため、マフラー周りの除雪や定期的な換気、内気循環はせずに外気導入モードにして車室内の気圧を高める、必要に応じてエンジンを停止する判断も必要である。さらに排気ガスがマフラーから床下に回り、内気循環でも車体の隙間から車内に入る危険性もあるので注意が必要だ。

●一酸化中毒に気を付ける
●マフラーの出口付近の除雪を定期的に行う
●窓を開けて換気を定期的に行う
●定期的にドア周辺を除雪し、ドアが開くことを確認する
●クルマ全体が雪で埋もれてしまった場合は排気ガスが入らないようにエンジンを切る
●しばらく経っても改善しない場合、JAFや道路緊急ダイヤルに連絡する
JAFロードサービス救援コール=0570-00-8139またはシャープ8319
道路緊急ダイヤル=♯9910

 一酸化炭素を吸い込むと血中のヘモグロビンと結合することで血液による酸素運搬を阻害。身体に重篤な症状を引き起こし、命の危険にも直結する。

 JAFのユーザーテスト「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意(引用)」ではアイドリング状態で5分経過すると車室内の一酸化炭素濃度は200ppmに達し、20分経たずに800ppmを超えることが分かった。

 車内で待機する際は、携帯電話で道路緊急ダイヤルやロードサービスに連絡を入れて状況を伝えることも重要だ。立ち往生は救助までの時間が読めないことも多いため、周囲の状況をこまめに確認しつつ安全確保に努めたい。

一酸化炭素濃度と症状
一酸化炭素濃度と症状

大雪で立ち往生した時のために準備しておきたいもの

スタッドレスタイヤやチェーンがあるからといって過信は禁物
スタッドレスタイヤやチェーンがあるからといって過信は禁物

 立ち往生のリスクに備えて、日頃からクルマに装備しておきたいアイテムがある。まず除雪用のスコップは必須といえる。立ち往生時にマフラーまわりやタイヤ周辺の雪を取り除くことで、一酸化炭素中毒やスタックのリスクを軽減できる。防寒手袋や懐中電灯も除雪作業の補助として役立つ。

 また、非常食や飲み物を常備しておくことも大切だ。長時間の待機を強いられる場合、カロリー補給や水分補給は体力維持の要となる。温かい飲み物を保温ボトルに入れておけば、体温を内側から支えることができる。携帯トイレも長時間の待機を快適にするためには欠かせないアイテムである。

実際に立ち往生を経験した編集部員が常に積んでいるアルミ製の折りたたみ式スコップ。氷を砕くのには向かないが、積もった雪を取り除く際には活躍する
実際に立ち往生を経験した編集部員が常に積んでいるアルミ製の折りたたみ式スコップ。氷を砕くのには向かないが、積もった雪を取り除く際には活躍する

 さらに毛布や防寒具、寝袋といった防寒対策グッズ、スマートフォンの充電を維持するためのモバイルバッテリーなども積んでおくと安心だ。冬の寒さは体力を急速に奪うため、エンジンを切って待機する場面でもこれらの装備があれば命を守る力になる。

スタックした時に使用する脱出用プレート。折りたたみ式の物なら、使わない時も場所を取らない。フロアマットは雪面に食い込まず、タイヤが回転すると後方に吹き飛んでしまうことがあるので、専用の物を用意したい
スタックした時に使用する脱出用プレート。折りたたみ式の物なら、使わない時も場所を取らない。フロアマットは雪面に食い込まず、タイヤが回転すると後方に吹き飛んでしまうことがあるので、専用の物を用意したい

 令和3年2月に長野県で行われたJAFの「車内温度ユーザーテスト(引用)」では、車内温度25℃の状態でエンジンを停止した場合、車内温度は3時間後には1.8℃まで低下、5時間後には-3.9℃まで低下、8時間後には車内温度は-7℃」まで低下。

 また23時から翌朝午前 7 時までの 8 時間、エンジンを止めた状態で対策の異なる 20 代~30 代の4名のモニターが車両(ミニバン)2 台に分乗し、寒さをしのげるのかを検証。なお、テスト開始直前までエンジンをかけてエアコンを使用し車内温度を25℃に設定した。

 「対策なし」、「毛布+使い捨てカイロ」、「寝袋(冬山用)」、「エマージェンシーシート(緊急時に体温保持のために使う薄くて軽いアルミシート)」の4パターンでどこまで耐えられるかテストを行った。

実験によれば、「冬山用の寝袋」と、「毛布+使い捨てカイロ」が有効。雪が多い地域を走行する際は万が一に備え、人数分の寝袋とカイロ(貼り付けられるものが便利)は備えておいた方がよいだろう(Carbondeil@Adobe Stock)
実験によれば、「冬山用の寝袋」と、「毛布+使い捨てカイロ」が有効。雪が多い地域を走行する際は万が一に備え、人数分の寝袋とカイロ(貼り付けられるものが便利)は備えておいた方がよいだろう(Carbondeil@Adobe Stock)

 その結果、対策なしはテスト開始から2時間45分でギブアップ(外気温:-11.1℃、車内温度:1.8℃)、「エマージェンシーシート」は、テスト開始から 5 時間 27 分後にギブアップ。(外気温:-12℃、車内温度:-3.9℃)、「毛布+使い捨てカイロ」と「寝袋」は、テスト開始から8時間経過し、寒さに耐えることができ無事終了。(外気温:-12.9℃、車内温度:-7℃)

 つまり、「寝袋」と「毛布+使い捨てカイロ」を使用することによって、なんとか一晩耐えることができる、という結果になった。

 ということで、もしスキーなどで大雪が降りそうな積雪地方に出かけることになったら、万が一、スタックすることを考えて、クルマのトランクに人数分の寝袋または毛布+使い捨てカイロを積んでおくことをお薦めする。

 また、ポータブル電源を搭載しておくのもおススメ。容量500Whでも充分役立つが、1000Whあれば余裕度が大きい。併せて電気毛布があればエンジンを切っても充分に暖を取れる。電気ポットがあればお湯を沸かして体を中から温めることもできる。

次ページは : EVで豪雪立往生!! バッテリーは何時間使える?

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