耐久レースなどに水素エンジン車で挑戦中のトヨタ。もちろん市販水素エンジン車の開発も進めている。今回、カローラクロスに水素エンジンを搭載したテスト車に国沢光宏氏が試乗。開発の初期段階とのことだが、期待大の完成度だった!!
※本稿は2025年12月のものです
文:国沢光宏/写真:奥隅圭之、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
日進月歩の水素エンジン車に試乗!
ここにきてトヨタが水素エンジンでさまざまなトライをしている。
今回技術発表&ミニ試乗会を行ったのはカローラクロスに水素エンジンを搭載したモデルだった。昨年試乗したグランエースより一世代進化しており、巡航時の燃費を稼ぐべくリーンバーン(希薄燃焼)を採用。試作車を複数作って走行テストまで行っているそうな。
今回はリーンバーン状態とストイキ(理想空燃費)の切り替えを試してみてほしいとのこと。早速試乗してみた。
エンジン掛かった状態で乗り込み、Dレンジを選ぶ。するとガソリンエンジンよりアイドリング回転数は高い。大ざっぱに言って1400回転くらいか。エンジン音もガソリンエンジンと明らかに違う。ノッキングと似ており、賑やかな印象。
アクセル踏んでスタート。加速中はストイキ燃焼のためパワーフィールもガソリンエンジンと変わらない。ただエンジン音が濁った感じ。もしかすると燃焼速度の速さから来ている可能性も。
ここでアクセルをパーシャルにすると(速度をキープできる程度のアクセル開度)リーンバーンに入る。この状態だと燃焼音も振動も変化なし。
エンジンはほぼ出力を出していないため、燃焼音の変化にも気づかない。リーンバーンからアクセル踏むと、瞬時にストイキになるためか、これまた気づかない差である。
もう少し走り込めば変化を感じるかもしれないが、少なくとも800mくらい走っただけだと「普通に走れますね」という印象しか残らなかった。それでいいんだと思う。
水素エンジンの課題は航続距離にある。ガソリンと比べると体積あたりのエネルギー量が圧倒的に少ない。
50リッタータンクだと液体水素でもガソリン15リッター分程度にしかならない。試験車両は82Mpの圧縮水素を使っているため、さらに厳しい。トヨタはハイブリッドやリーンバーン技術を投入し、燃費を伸ばそうとしているのだった。
100リッタータンク1本で300km走れるようになれば、宅配便などの配送業務に使えることだろう。午前中に配送作業して充填すると午後も同じだけ走れる。電気自動車の充電より圧倒的に早い!
煮詰めていけばガソリンエンジンと同じような使い勝手になっていくはず。「水素の利用方法」が増えることを持って意義あると考えます。
走り大激変!? 超伝導ってなんだ!?
絶対零度(−273度)まで冷やすと電気抵抗がゼロになる現象を「超伝導」と呼ぶ。理論上、髪の毛の太さの電線で巨大発電所が生み出す電力を送ることも可能なのだ。
モーターを超伝導状態にすると、驚くほどの小サイズで大きな出力を出せる。その理論を使い、トヨタは液体水素燃料タンクの中に電動ポンプを組み込んだ。ポンプのサイズを圧倒的に小さくできるため、イラストのようにタンク容積を大きくすることが可能になる。
【画像ギャラリー】内燃機関の気持ちよさ!! 研究開発中の水素エンジンを積んだトヨタ カローラクロスに試乗してみた!!(10枚)画像ギャラリー













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