100年の歴史と101年目からの未来 記憶に刻まれるマツダ車たち 22選

 前身である東洋コルク工業株式会社の設立(1920年・大正9年)から数えて2020年の今年、創業100周年を数えるマツダ。歴史あるメーカーの多くがそうであるように、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。だがそうした100年の積み重ねのなかで、不思議な魅力を放つ、語りたくなるようなモデルを多く輩出してきたのもマツダ車の特徴のひとつ。ここではその一部を紹介していこう。

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※本稿は2020年3月のものです
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部/撮影:森山俊雄(RX-8)
初出:『ベストカー』 2020年4月10日号


■R360クーペ(1960年)

 それまでオート3輪が中心だったマツダはこのクルマで四輪乗用車に参入。空冷V2をリアに搭載し、リアシートは広くない代わりに軽量化に注力していた。

戦後の日本車で初めて「クーペ」を車名で名乗ったRRモデルだった。当時の価格は30万円で、スバル360よりも安価に設定されていた

■コスモスポーツ(1967年)

 世界初のロータリーエンジン(以下RE)を搭載した市販車。独NSU社とのREのライセンス契約から市販化までの道のりはNHK『プロジェクトX』でも取り上げられたように苦悩の連続だった。

初のロータリーモデルでFR2ドアクーペ。この10A型ロータリーはファミリアやサバンナも搭載した

■ファミリアロータリークーペ(1968年)

 コスモスポーツに続く2台目となるRE搭載車。コスモスポーツのものをデチューンしたREを搭載し、危険なくらいの速さを持っていた。

2代目ファミリアに設定されたロータリーエンジン搭載車。ファミリアクーペとは別物といってもいい

■ルーチェロータリークーペ(1969年)

 RE搭載車第3弾。ルーチェの車名ながら意外にも駆動方式はFFだった。RE以外に未完成な部分が多かったこともあり短命に終わった。

マツダ車初のFFモデル。「ロータリー+FF」はこのクルマのみ

■初代サバンナ(1971年)

 RE搭載第5弾。REの軽量コンパクトかつパワフルというメリットを生かし、箱スカGT-Rの50連勝を阻止するなどモータースポーツでの活躍が記憶に残る。

輸出名では「RX-3」を名乗ったロータリーFRクーペ。セダンやワゴンも存在した。レシプロ版がグランドファミリア

■初代サバンナRX-7(1978年)

 当時ピンチに陥っていたマツダが起死回生をかけて開発したRE搭載のピュアスポーツカー。REは燃費と環境性能を大幅に向上し、価格が安かったこともあり大成功を納め、後にREターボも追加された。

サバンナの後継モデルで、ターボ仕様の12A型ロータリーエンジンが搭載されたのは日本仕様の後期型モデルのみだった

■5代目ファミリア(1980年)

 ファミリアは5代目モデルでFF化され、全体的に初代VWゴルフの影響を受けたモデルとなった。スタイルやハッチバックのXGのラウンジシートなどを理由に何度か月間販売台数1位になるほどの大ヒット車となった。

新規開発のマツダBDプラットフォーム採用で誕生した5代目モデル。1982年に3回、1983年に5回、月間販売ランキングナンバーワンに輝いたマツダ最高のヒットモデルで、赤が人気カラー

■6代目ファミリアGT-X(1985年)

 1.6L DOHCターボを搭載する日本初のスポーツフルタイム4WD車。初代RX-7を引き継ぐ形でWRCに参戦し、雪のスウェーデンラリーでの優勝も果たした。

追加設定されたGT-XとGTには直4、1.6L DOHC16バルブターボを採用していた。このエンジンは当時の1.6Lクラス最強となる最高出力140psを発揮した

■5代目カペラ(1987年)

 それまでの4ドアと5ドアのセダン、クーペに日本車のステーションワゴンとしては売れたカーゴも加わり、電子制御4WSやディーゼルスーパーチャージャーといった新技術もギッシリ投入された。

世界初の電子制御車速感応型4WS、量産エンジン初となるプレッシャーウェーブスーパーチャージャー採用のディーゼルモデルが設定されたことなどで歴代でも華やかなモデルになった

■ペルソナ(1988年)

 カペラベースでカリーナEDに対抗するスタイリッシュ4ドアクーペ。ファミレスのソファのようなリアシートが今も記憶に鮮明に残る。

インテリアの半分以上が革張りになっていたなど、バブル期に設計されたモデルならではのゴージャスさがウリ。フロントグリルには七宝焼きのエンブレムを採用。エンジンは直4の1.8L SOHC、2L DOHCの2種類を設定

■ユーノスロードスター(1989年)

 ライトウェイトオープンスポーツカーの平成版として登場。コンセプトは新しくないが、こういったクルマを平成に蘇らせた勇気は称賛モノで、フォロワーも登場。しかし現在も続いているモデルはロードスターも含め少なく、この点も偉大だ。

海外にも数多くのフォロワーモデルを生み出したマツダのオープンスポーツの代名詞。搭載していたエンジンは当初は120psの直4、1.6L DOHCだったが、1993年の後期型から130psの直4、1.8L DOHCに換装されている

■ユーノスコスモ(1990年)

 当時のRE技術の集大成といえる3ローターターボを搭載したラグジュアリークーペ。全体的に実に贅沢なクルマだったが、3ローターの燃費も超極悪だった。

ユーノスのフラッグシップモデル。230psの2ローター13B型と280psの3ローター20B型を設定

■センティア(1991年)

 ルーチェの後継車でボディサイズの大きさも生かした流麗なスタイルはジャガーなどを思わせるほど美しかった。

ルーチェ後継のFR上級サルーン。5代目カペラに採用された車速感応型4WSのほか、ガラスサンルーフに太陽電池を組み込んだソーラーサンルーフなどを採用し、贅を尽くしたモデル

■アンフィニRX-7(1991年)

 ツインターボ化などパワーアップはされたものの、エンジンは2ローターターボのまま徹底的な軽量化により日本車最速軍団に勝負を挑んだピュアスポーツカー。度重なる改良による熟成もスポーツカーらしいところだ。

1997年以降はアンフィニからマツダへ変更。13B型ロータリーはデビュー当初の255ps→265ps(MT車のみ)→280ps(MT車のみ)へと向上した

■ユーノス500(1992年)

 マツダに多大なダメージを与えたクロノス兄弟の1台ながら、ユーノス500だけはスタイルが世界中から高く評価された。

ユーノス初のセダン。当時の兄弟車だったクロノスやMS-6、クレフ、テルスターよりもボディサイズは小さいが、逆に価格は高かった。エンジンは直4、1.8LとV6、2LのNA

■AZ-1(1992年)

 ガルウイング+ミドシップという軽スポーツカー。トリッキーなハンドリングなどもあり、残念ながら短命に終わった。

ビートやカプチーノとともに「平成ABCトリオ」として話題になった軽スポーツ

■ランティス(1993年)

 クーペ的なセダンというわかりにくいクルマながら気持ちいいV6エンジンやハンドリングのよさ、衝突安全性に注力した点など中身に魅力あるクルマだった。

写真の5ドアハッチバッククーペと4ドアセダンの2種類を設定。クーペは当時のJTCCにも参戦

■ボンゴフレンディ(1995年)

 エンジンを前席下に置くミニバンでクルマ自体に見どころはない。しかし、ルーフにテントが立つあのオートフリートップはアイデア賞もので、いまだに真似をするクルマがあるほどだ。

キャンピングカーのポップアップ式テントのようなオートフリートップが特徴。子どもふたりが就寝するには充分

■初代デミオ(1996年)

 シンプルながら広いコンパクトハイトワゴンというコンセプトと価格の安さを理由に大ヒットし、当時本当に苦しかったマツダにとっては救世主になった。

コンパクトながらスペースの広さと実用性の高さがウケて大ヒット

■初代アテンザ(2002年)

 Zoom-Zoomの企業キャッチコピーも含めた新生マツダのトップバッターとなったミドルサイズカー。すべての部分がそれまでのマツダ車とは比較にならないほどの完成度を持ち、マツダ復活の狼煙となった。

2000年のトリビュート以来となるマツダにとって1年半ぶりのブランニューカー。セダン、ワゴン、5ドアハッチバックを設定

■初代CX-5(2012年)

 この前年からマツダが展開し始めたSKYACTIV技術をすべて盛り込んだ1号車。特に2.2Lディーゼルはパワフル、低燃費、低コストと三拍子揃っており、いまだにハイブリッドに対するアンチテーゼとして魅力的な存在だ。

フルSKYACTIVテクノロジー+魂動デザイン採用のマツダ第6世代車両群第1弾モデル。大ヒットモデルとなった

【番外コラム】ベストカーイイボシのRX-8アゲイン

(TEXT:飯干俊作)

 2011年まで我が愛車だった最後のロータリースポーツ、RX-8。この特集企画のひとつとして、数年ぶりに走らせることができた。

 乗ったのは最終限定車のスピリットR。新車当時はアシがしなやかだった記憶があるものの、「こんなに硬かったっけ?」というのが第一印象。でも、6速MTを駆使して走らせていると、テンションがどんどん上がってくる。

REだけでなく、観音開きドアの4ドアスポーツクーペというコンセプトが当時、斬新だったRX-8

 当時も今も加速力自体はたいしたことない。しかし、電動モーターに内燃機関のいいところだけを組み合わせたようなロータリーフィールは格別。たいしたことないパワーゆえ、逆に息の長い加速を楽しめるというメリットを存分に味わいながら走っていると、ファントゥドライブの真髄をみたような気分になる。

 私がRX-8を購入したのは38歳の時。当時の自分を振り返ると「とんでもない未熟者だった」という思いしかないけど、あの未熟ぶりがあったから「少しはマシになれたかな?」と思える今の自分がいるのも確か。

 RX-8も発売当初は未熟だったが(それに乗ってました)、改良に改良を重ね、最終型は別モノのような乗り味を実現していたのと同じなのかもしれない。

 このまま「RX-8と俺」というお題で何行でも書けそうな気分になってきたが、迷惑だろうからやめる。RX-8に乗って人生を考えさせられるとは思わなかった。そこらのクルマにはできない芸当である。

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