「トヨタがレクサス LFAの後継モデルを企画している」。ベストカーが第一報をお伝えしたのは2021年の終わり。それからも情報を入手するたび細かくお伝えしてきたが、ついに2025年12月、LFAの血を受け継ぐ3台のクルマが発表された!!
※本稿は2025年12月のものです
文:片岡英明/写真:池之平昌信、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
「公道を走るレーシングカー」GRの新たなフラッグシップ
2025年12月5日、静岡県裾野市のウーブン・シティで、3台のスーパースポーツが発表された。GR GT、GR GT3、レクサス LFAコンセプト。
アルミニウム骨格など核となる技術を共用しつつ、それぞれ異なるパワーユニットを搭載する3台。その中では最も入手しやすい(それでも高額になるのは確実だが)と思われるGR GTを中心に、中身を紹介していきたい。
ふたつの「屈辱」が生み出したスポーツ
トヨタGAZOOレーシングが12月5日、ウーブン・シティでGRブランドの新たなフラッグシップとなる「GR GT」とレースベース車両の「GR GT3」をワールドプレミアした。また、同じ会場において、レクサスブランドの「LFAコンセプト」もお披露目している。
オープニングのあいさつのためにステージに上がったサイモン・ハンフリーズCBOは、この次世代プレミアムスポーツカーが誕生することになった経緯を述べた。それはトヨタが味わった、ふたつの屈辱に端を発するという。
ひとつは14年前に、豊田章男会長がペブルビーチのカーイベントで「レクサスは退屈だ」と言われたこと。
もうひとつはニュルブルクリンクサーキットを走っている時に、後ろから迫ってくる欧州メーカーのカモフラージュしたプロトタイプカーに道を譲り続けたことだ。
この時の屈辱が、GR GTを誕生させる原動力になった。
【画像ギャラリー】新たなフラッグシップが堂々登場!! ついに姿を表したトヨタ GR GT&GR GT3&レクサス LFAコンセプト(16枚)画像ギャラリー「レースで勝つ」そのためのベース車両を
開発には社内の評価ドライバーだけでなく、マスタードライバーのモリゾウ(豊田章男会長)ほか、レーシングドライバーの片岡龍也選手と石浦宏明選手、蒲生尚弥選手、そしてジェントルマンドライバーの豊田大輔選手らがコンセプト策定時から参画したそうだ。
このことからもGR GTは走りに徹底してこだわったことがわかる。GR GTは、レースで勝つために、ベースとなる量産車はどうあるべきか、という逆転の発想で開発された。
エクステリアも同様だ。ドライバーの着座位置をギリギリまで下げ、全高も低くしながらエアロダイナミクスの理想を追求し、その後からデザイン検討に入った。駆動方式は、リア駆動のFR方式としている。
デザインは常識の範囲内だが、ロー&ワイドのスポーツカーらしいプロポーションとした。全長は4820mmだが、全高は1195mmと低く、全幅は2000mmとかなりワイドだ。
メカニズムのハイライトのひとつは、トヨタ車では初めてボディ骨格をオールアルミ製としたこと。鋳造のキャストパーツを高い強度の中空形状とし、これにアルミの押し出し材を溶接によってつないだ。
オールアルミの骨格を選んだのは、高い剛性を確保しながら軽量に抑えたいためと、厳しい衝突安全基準を満たすためだろう。ボンネットやルーフなどはカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)としている。車両重量は、1750kg以下が目標だ。
開発者から話を聞くと、レース参戦のベース車両であるGR GT3が計画され、これをベースにロードゴーイングカーのGR GTが生み出されたように思えてくる。GR GTは公道を走れるレーシングカーに近い性格になるようだ。


















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