メルセデスF1が作り上げた人工呼吸器が凄すぎる!! 通常2年を「100時間」で完成 

メルセデスF1が作り上げた人工呼吸器が凄すぎる!! 通常2年を「100時間」で完成 

 日本でも自動車業界が新型コロナウイルスへの支援として、持ち前の技術や設備を用いる取り組みが行わている。

 これからも官民問わない取り組みが行われていくのだが、日本よりひと足早く”緊急事態”となったヨーロッパではすでに多くの支援が始まっている。

 なかでもF1の各チームが取り組んだ人工呼吸器開発プロジェクトは非常に大きな話題を呼んだ。今回はドイツ在住のジャーナリストにメルセデスがどのような取り組みをしたのかをまとめてもらった。

 ドイツではどのような支援が自動車業界を通じて行わているのだろうか?

超突貫開発でもクオリティ高し!! メルセデス製の美しい人工呼吸器の姿はこちらから

文:Midori Ikenouchi/写真:Daimler, Mercedes AMG F1 Team


■全メーカーが稼働停止のドイツ国内の現状だが……

 世界中に蔓延し、猛威を振るう新型コロナウイルスへの感染拡大防止の為、ドイツ政府は外出自粛要請を日本よりも3週間前に発令し、一部の特定管理エリア以外はすべての自動車製造ラインを休止しているメルセデス・ベンツ。

 ドイツ政府は自動車メーカーへの稼働停止は強制していないが、すべての自動車メーカーが社員の健康・安全確保の為に独自に製造ラインを休止しているのが現状だ。

メルセデスF1チームが開発した人工呼吸器の一部。こちらは酸素流量や、酸素濃度を調整するコントローラーとなる
メルセデスF1チームが開発した人工呼吸器の一部。こちらは酸素流量や、酸素濃度を調整するコントローラーとなる

 世界中の感染患者が爆発的に増え、医療現場での物資や医療機器不足が深刻化しているなか、イギリスに本拠地を置くメルセデス・AMG ペトロナスF1チームでは、最先端のF1技術を駆使し、異業種ながら迅速に医療業界へ手を差し伸べた事が話題を呼んでいる。

 3月18日からイギリスのメルセデス・AMGペトロナスのF1ファクトリーでは、ユニバーシティカレッジ ロンドン(UCL)の工学エンジニアと、ユニバーシティカレッジ ロンドン病院(UCLH)の臨床医が、F1チームのハイパフォーマンスパワートレインのエンジニアらとともに、持続的起動陽圧装置(CPAP)の開発から製造に乗り出した。

CPAP(シーパップ)と呼ばれる持続的起動陽圧治療を施すための機器をメルセデスが開発し納品した。CPAPでは呼吸困難の患者に対して鼻や口から圧力をかけた空気を肺に送り込むもので、気管挿管を必要としない治療法となる

 Covid-19感染患者が自発呼吸だけで酸素吸入が困難な場合、この装置を装着することにより呼吸を補助する役割を果たし、重篤患者の命を救い続けているのだ。

次ページは : ■なんと100時間でプロトタイプを完成させる

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