米国安全基準のまま日本で販売する懸念
日本では道路運送車両保安基準に基づき、新車の安全性能をJNCAP(Japan New Car Assessment Program)が評価。米国では、NHTSA(国家道路交通安全局)が連邦自動車安全基準(FMVSS)を定め、IIHS(米国道路安全保険協会)がより厳しい衝突試験を実施している。
しかし米国の連邦自動車安全基準(FMVSS)は、主に「乗員(車内の人)の保護」に重点を置いており、歩行者保護に関する直接的な保安基準が事実上存在していない。
日本の車両保安基準との大きな違いは歩行者保護である。例えば、ボンネットやバンパーに一定の柔らかさを求めて頭部などを守る、衝突時に歩行者を守る「歩行者頭部保護基準」、サイドアンダーミラー(補助ミラー)を設け、前部や助手席側の死角をなくす「関節視界基準」、「前方のクルマや歩行者などを検知し衝突を防ぐ「ブレーキ基準」。
これがそのままスルーされることになれば歩行者保護が後退する懸念がある。このあたりはどのようにして自動車メーカーは米国車認定制度に申請してくるのだろうか。
テスラのサイバートラックが日本で登録できないのは日本の歩行者保護基準に適合していないためだが、このままいけばサイバートラックも認定される可能性が出てくる。
また懸念されるのが右側通行用ヘッドライトやサイドマーカー、リアの赤いウインカーなど、北米仕様をそのまま変更せずに日本の公道を走るようになること。
日本で見かけるGMやフォード、クライスラーの並行輸入車をたまによく見かけるが、たいていの場合はリアウインカーは赤のままで点滅している。ウインカーの部分だけオレンジになっているのは正規ディーラー車だけだ。
夜間側面からの視認性を高めるためのサイドマーカーは米国では義務付けされているが日本の保安基準には通らない。4車線以上ある道路の多いアメリカでは車体側面にサイドマーカーを取り付けることで回りのクルマからの視認性が高まるから安全なのだ。サイドメーカーはフロントがオレンジ、リアがレッドとなる。
正規ディーラー車はリアウインカーをオレンジにしてブレーキランプと独立作動を可能にし、サイドウインカーも装着されているものがほとんどだ。ヘッドライトにしても、日本仕様に改善すると、左側通行に合わせたヘッドランプの照射範囲の変更し、対向車が眩しくないようにしている。
こうした安全基準およびヘッドライトや赤いウインカー等について、国土交通省に聞いてみたが、米国製自動車認定制度を申請する自動車メーカーに対し、自主的改善まで含め、代替の装置を求めるという。
そして安全性の確保および公害の防止に係る措置が講じられることにより保安上および公害防止上支障がないものとして、国土交通大臣の認定を受けた場合は、保安基準に適合するとみなすこととするそうである。
今後日本で販売される可能性のある逆輸入車
1990年代当時のようなことにはならないだろうと希望的観測をしておきたい。今後、日本で販売される可能性が高い逆輸入車は以下の通り。
トヨタはタンドラ、ハイランダー、カムリを逆輸入することを明らかにし、ホンダもパスポート、アキュラインテグラタイプSやアキュラRSXの日本導入を前向きに検討している。
●トヨタタンドラ
●トヨタハイランダー
●トヨタカムリ
●ホンダパスポート
●アキュラインテグラタイプS
●アキュラRSX(BEV)
アキュラインテグラタイプSはFL5型シビックタイプRと同じエンジンにマニュアルミッションなのでクルマ好きにとっては期待できるモデルだ。
そのほか、北米工場の稼働率向上を目指している日産。日産の北米生産車にはパスファインダーやアルティマ、フロンティアなどがあるが、本命はミッドサイズSUVムラーノだろう。ちなみに2027年前半に導入が決まった日産パトロールは九州工場生産。
ムラーノは全長4.9m級のクロスオーバーSUVだが、日本でもエクストレイルとしっかり棲み分けできそうな、洗練されたモデルとなっている。
これを好機と捉えて、アメリカで生産している日本メーカーの魅力的な逆輸入車が増えてくれることを期待したい。
【画像ギャラリー】日本に導入される予定の逆輸入車はどんなものがある?(9枚)画像ギャラリー













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