なぜ制度開始直後に詐欺が起きるのか
今回の詐欺が成立した背景には、制度の”周知と不安の非対称性”がある。
「なにか変わったらしい」「自転車でも切符を切られるらしい」——そういう空気が先に広まり、制度の細部はまだ浸透していない。詐欺師はその隙間を突く。制度が話題になればなるほど、「ありえそう」という感覚が被害者を生みやすくする。
広島県内では制度開始直後から、信号無視や一時不停止で実際に青切符が交付されたとも報じられている。制度が”本当に動いている”という事実が、悪用の土壌にもなった。
警察庁によれば、令和6年の自転車乗用中の死亡・重傷事故のうち約75%で自転車側にも法令違反があった。信号無視・一時不停止・スマートフォン使用など、事故と直結する危険な違反を実効的に取り締まるための制度が、皮肉にも詐欺のネタとして最初に使われた格好だ。
「これは詐欺」と判断する3つのチェックポイント
自分や子どもが路上で声をかけられた際、以下の3点のどれかに当てはまれば詐欺と判断してよい。
① その場で現金を要求された
本物の青切符では、現金を路上で渡す手順は一切ない。納付書で銀行・郵便局へ行くのが正規の流れ。
② 相手が制服を着ていない、または警察手帳を提示しない
警察官であれば職務執行時には身分証(警察手帳)の提示を求めることができる。作業服姿の男性が「違反だ」と言っても、それは何の根拠もない。
③ 金額が妙に安い(または妙に丸い数字)
制度上の反則金は3000円・5000円・6000円・1万2000円。「2000円」という金額はどの違反にも対応していない。
疑わしいと思ったら、その場では絶対に金銭を渡さず、110番通報する。
まとめ:制度を知ることが最大の防衛策
「自転車にも青切符」という変化は本物だ。違反すれば本当に反則金が発生し、繰り返せば刑事手続きにもなりえる。ルールを守ることが、まず最初の対策だ。
同時に、制度の正確な手順を知ることも防御になる。反則金は路上では払わない。相手が誰であれ、その場で現金を要求されたら詐欺と考えていい。
春の通学シーズン、新社会人のラッシュと重なるこの時期、子どもや若い世代への声かけは特に増えやすい。今日中に、家族でこの3点を共有しておくことを強くすすめる。
参考:広島県警察本部発表資料、警察庁自転車交通違反取締りポータル、道路交通法(令和6年改正)
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