新車販売はリーマン以上の危機!! 4月の販売台数28.6%減 この状態から抜け出せるのか?

ヤリスが登録車トップに輝きライズが7位に落ち込む

4月の販売台数はヤリスが初めてトップに立った
4月の販売台数はヤリスが初めてトップに立った

 続いて、2020年5月11日に日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した、2020年4月の乗用車車名別販売台数と軽四輪車通称名別新車販売速報を見ていこう。

 1位がヤリスの1万119台、2位がフィットの8977台、シエンタが6982台で3位となった。2020年1月と2月の車名別ランキング1位となったライズは7位と大幅に順位を下げた。

 ランキング表の対前年同月比を見てほしいのだが、2位のフィット意外は軒並み前年割れしており、プリウスが42.2%、アクアが58.6%、セレナが50.7%、ノートが51.1%と、ベストセラー車の落ち込みが激しく、そのほかの車種も対前年比4割~6割となっており、大幅に落ち込んでいるのがわかる。

■2020年4月の車名別販売台数ランキングBEST10
1位 トヨタ「ヤリス」:1万119台(―)
2位 ホンダ「フィット」:8977台(前年同月比132.5%)
3位 トヨタ「シエンタ」:6982台(前年同月比99.8%)
4位 トヨタ「カローラ」:6679台(前年同月比91.1%)
5位 ホンダ「フリード」:6030台(前年同月比95.7%)
6位 トヨタ「アルファード」:5739台(前年同月比98.6%)
7位 トヨタ「ライズ」:5545台(―)
8位 トヨタ「ルーミー」:5104台(前年同月比71.5%)
9位 トヨタ「プリウス」:4669台(前年同月比42.2%)
10位 トヨタ「アクア」:4551台(前年同月比58.6%)

 一方、軽自動車を見ると、1位のN-BOXが1万4034台(72.4%)、2位のタントは8295台(71.3%)、ムーヴは6877台(68.5%)で3位となった。ランキング15位に入ったクルマの対前年同月比を見ていくと、全体的に見て登録車よりも若干落ち込み幅が少ない印象だ。

4月の軽販売1位となった盤石のN-BOX。それでも前年同月比72.4%と伸び悩んでいる
4月の軽販売1位となった盤石のN-BOX。それでも前年同月比72.4%と伸び悩んでいる

■軽自動車車名別販売台数ランキング
1位 ホンダ「N-BOX」:1万4034台(前年同月比72.4%)
2位 ダイハツ「タント」:8295台(前年同月比71.3%)
3位 ダイハツ「ムーヴ」:6877台(前年同月比68.5%)
4位 スズキ「スペーシア」:6426台(前年同月比44.2%)
5位 ダイハツ「ミラ」:5506台(前年同月比70.9%)
6位 ホンダ「N-WGN」:4682台(前年同月比119.1%)
7位 スズキ「ハスラー」:4294台(前年同月比89.5%)
8位 スズキ「ワゴンR」:3668台(前年同月比49.7%)
9位 スズキ「アルト」:3445台(前年同月比60.1%)
10位 日産「デイズ」:3419台(前年同月比35.9%)

販売の現場、ディーラーも逼迫した状況

 そこで、販売の現場であるディーラーの状況はどうなのか、ディーラーマンの生の声を聞くためにディーラーを回った。

 まず、5月から全車種全店扱いになったトヨタモビリティ神奈川に足を運んでみた。想像していたとおり、日曜日にもかかわらずショールーム内には2家族ほどでまばらな印象。さっそく営業マンにコロナ禍による影響を聞いてみた。

5月から全車種全店扱いになったトヨタの販社だったがコロナ禍の影響で販売状況は大幅に落ち込みスタートからつまづいた格好だ
5月から全車種全店扱いになったトヨタの販社だったがコロナ禍の影響で販売状況は大幅に落ち込みスタートからつまづいた格好だ

 「2月にヤリスが発売されたのですが、3月から4月の上旬にかけて納車と新車を見に来たお客さんで、かなり多かったのですが、4月中旬以降はさっぱりです。

 時短で営業ということもありますが、来場するお客様はいつもよりは半分以下になっています。5月から全車種扱いになって準備万端だったのですがかなり寂しい状況で、このままでは厳しい状況です。

 売りたい魅力的なクルマがたくさんあるのに悔しいですね。車種が一気に増えてカタログを置くスペースに苦労していたのですが、お客様が少ないので期待していたほどではなく……。

 頼みのライズも生産が遅れていまして、納車が4ヵ月以上かかってしまっています。なんとか、5月中旬以降に徐々にお客様が戻っていただけることを期待しています」とかなり厳しい胸の内を明かしてくれた。

 続いて、フィットが絶好調の首都圏のホンダカーズに向かった。ショールームに到着すると、3人ほどのお客さんが座っていたが、ここもやはり寂しい状況。

 「日曜日は点検のお客さんも含めて10以上あるテーブルがすべて埋まってしまうのですが、4月中旬以降、3分の1ほどに減ってしまいました。

 でもフィットが発売したばかりで人気ですし、N-BOXやN-WGNも好調なので売り上げ半減というほどにはなっていないと思います。

 フィットの納期もホンダカーズ東京に在庫があれば3週間から1ヵ月、なければ7月末くらいという状況です。

 でも正直、こんな状況のなか、ショールームに来ていただいたお客様には心から感謝しています。

 普段、発売直後の新車ですと、お値引きは5万円程度なのですが、すぐに決めていただけるなら、特別に部長、店長にも話をすぐに通して10万円以上は頑張らさせていただきます。

 とはいってもなかなかこの時期に新車を買おうとする人はいませんので、6月のボーナス商戦からが本腰、と捉えて頑張っていきたいと思います」とコメント。

 タブレット端末で丁寧に説明してくれたのだが、「クルマの販売はやはり対面接客が基本なので、これから半年以上は厳しい状況が続くのではないか……」とも語ってくれた。

閑散としているホンダカーズのショールーム
閑散としているホンダカーズのショールーム

次ページは : 今後の見通しについて

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