環境対応の問題もあり、国内メーカーもハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車といった電動化モデルをぞくぞく発表している。
残念ながら、電気自動車はまだモデル数が少ないので比較対象には入らないが、ハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)であれば、どちらが実用性、コストメリットを考えた時にお薦めなのか……、気になるところではないだろう。
そんな時に登場したのが、トヨタ「RAV4 PHV」だ。どうやらこのクルマが、それまでのHVとPHVを選ぶ基準を変えてしまうくらいインパクトを持っているとのことだ。国沢光宏氏が驚いた、これまでの常識を変えるというそのポイントを解説していく。
文:国沢光宏
写真:ベストカー編集部、TOYOTA、MITSUBISHI
ベストカー2020年7月10日号
【画像ギャラリー】国沢氏も驚いた4Lエンジン相当のパフォーマンス! RAV4 PHVの詳細をチェック!!
■優等生的PHEVとは違う 4Lエンジン相当のパフォーマンスという驚き
アウトランダーPHEVはバランス取れたいいクルマながら、絶対的なパフォーマンスという点で普通。プリウスPHVの場合、優等生的な仕上がりのため”華”がなく売れゆき&評価イマイチ。加えてアウトランダーPHEVと同じく動力性能は普通だ。
といった具合で、今までPHVといえばハイブリッドに「電気だけで走れる能力」を加えただけの存在だった。加えてハイブリッドより高価なため、エネルギーコストでペイすることなど不可能。環境ボランティアのクルマでしたね。
ところが、でございます! RAV4 PHVが今までの常識を変えた! 圧倒的なパフォーマンスを持たせてきたのだ。考えてほしい。RAV4のハイブリッドってシステム出力222ps。ガソリンエンジンなら2800cc程度に相当する。RAV4 PHVのシステム出力を見ると306ps! 4000cc程度のパワーを出す。2800ccと4000ccの価格差はどのくらいか? いろんな換算方法あるが、ここは少なく見積もり50万円くらいにしておこう。
価格をチェックすると、同じ「G」グレードでハイブリッドが389万円。そしてPHVだと469万円だから80万円差。いや、実際に買おうとしたらPHVだと20万円の補助金出るため60万円差になる。
さらに自動車税や1回目の重量税も免税になるから、ハイブリッドとPHVの金額差って50万円を切る。つまり普通のエンジンで排気量大きいモデルを買うのと同じことになる。パワー欲しいなら迷わずPHVでしょう。
■トータルでHVモデルよりお得!? RAV4で変わったPHVの立ち位置
RAV4 PHVは、家やガレージに充電設備がなくても306psのパフォーマンスを味わえる。それでいて燃費だって変わらない。客観的に考えたら凄いことです。パワーあって燃費が同じなんだから。この一点だけ取っても、今までのPHVとまったく違う!
アウトランダーPHEVやプリウスPHVの場合、ハイブリッドと燃費同等ながら、動力性能も同等。繰り返しになるけれど、PHVって環境対応車という存在だったワケだ。
自宅やガレージで充電できる人なら、ここからさらに美味しくなっていく。毎日通勤などで70km走る時の電気代は、およそ150円。燃費が結構いいRAV4のハイブリッドだとガソリン代で550円くらいかかる。1万kmごとのエネルギーコストは、PHVのほうが5万7000円も安い。
5万km走ったら30万円近く安くなる計算。3〜5年で手放す時のリセールバリューだってPHVのほうが最低30万円は高いと思う。ここまで読んで「すべて得じゃないの!」と思うだろう。
さらに、だ! 考えてみたらRAV4は2Lの普通エンジンを買うより、ハイブリッドのほうが税金や燃料コストまで含めたトータル金額で安い! つまり充電環境さえあれば326万円の2Lより、469万円のPHVを選んだほうが総支払い額が安いということになってしまう。ウソだと思うだろうけどホントです! そして動力性能は0〜100km/h加速で2000ccが約10秒。ハイブリッド8秒。PHV6秒! スンゴイ時代になりました。
※編集部注:トヨタ広報によると、受注を一時的に止めているが、受注再開の時期はホームページにてアナウンスする、とのことだ。
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