今や自動車はグローバル化の時代。日本車は世界各国で売られている。
ただし、同じ車でも、日本で売られるものと海外で売られるものでは微妙に違いあり。日本仕様と海外仕様は、どこが違い、どこが同じなのか? 車種によっても、その事情は違う。
文:松田秀士
シビックは日本も海外も『同一仕様』!?
国内仕様と海外仕様。国によっては右側通行だったり、法規制も違うから、日本車だってその国に合わせて製造しているわけで、いったいどんな違いがあるのだろう?
例えばだ、スズキ スイフトRSは、欧州でサスペンションチューニングを行い、そのままの仕様を日本に導入している。ただし、RS以外は日本国内用にセットアップされているのだ。
RSに関しては、グローバルなハンドリングが日本でも味わえるわけで、嬉しい。他に取材してみると、新型シビックはグローバル仕様を標準としているので、輸出仕様と国内仕様にはハンドルの位置の違い以外なにもないとのことであった。
それはつまり、タイプRも同じということ。ちなみに、シビック タイプRに関しては、北米や南米などにはこれまで輸出実績がなく、今回の新型から初めて輸出されることになる。
これは、かなりのレベルで販売店からラブコールがあったとのことで、海外でのタイプRのブランド性が伺えるというもの。もちろん、タイプRにも仕様に変更はない。
仕向け地によって車高やクラクションを変える場合も!
面白いところでは、フォルクスワーゲンの場合、北米仕様は車高を15㎝も高く設定するモデルがあるとか。これは、北米の道路路面の悪さに対応させているのだという。
実際、北米の高速道路は日本や欧州とは比較にならないほどに路面が粗い。コンクリート路面が多く、継ぎ接ぎや凸凹に悩ませられる。つまり、北米仕様はサスペンションの仕様も変更しているメーカーもあるくらいなのだ。
また、インド仕様の場合はクラクションを強化するのだという。インドでは渋滞時に頻繁にクラクションを鳴らすのだそうで、日本国内仕様のままだとすぐに壊れてしまうそうだ。
道路環境が違う北米ではカムリにV6も
さて、筆者は11月にWCOTY(ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー)の選考委員向け合同試乗会に参加してきた。これは、毎年この時期にロサンゼルスで行われるもので、その試乗車の中にトヨタ カムリがあったのだ。
日本国内でカムリはハイブリッド専用モデルだが、北米では日本閣内と同じハイブリッドモデルの他に、新開発の直列4気筒2.5LモデルとV6 3.5Lモデルがある。
そして、北米はガソリン価格も安い(1L/90円程度)ので、ハイブリッドよりも走りの良いガソリン車に人気がある。
敢えてハイブリッドにこだわる必要もないのだが、少し前までハイブリッド車であれば高速道路の「カープールレーン」(渋滞時に2名乗車以上で使用可能)を走行することができたのだ。
現在では法規も変わり、ハイブリッド車では走れず、PHV以上(EVも)が走行可能となっている。だから、北米の人にとってハイブリッドはそれほど魅力的ではないモデルになってしまった。
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