マツダは軽のスーパーカー「AZ-1」の精神を思い出してほしい

■まさに「時代のあだ花」となったAZ-1

 しかし、時代はそれを容認しなかった。発売時の1992年には、すでにバブルは崩壊。しかもライバルとなる軽スポーツのスズキカプチーノ、ホンダビートはその前年に発売されており、軽スポーツのニーズは奪われてしまっていた。

 もちろん、マツダもそれを傍観していたわけではなく、装備を充実化した「タイプL」、エアロパーツ付きの「マツダスピードバージョン」などが送り出されたが、手ごたえはなく、発売よりわずか1年後には、生産中止に追い込まれ、登場より3年後の1995年12月には販売を終了。総生産台数わずか4400台ほどに過ぎなかった。

 AZ-1は、時代やマツダの5チャンネル化など無謀な経営戦略の犠牲となってしまったが、その背景には、クルマの魅力や可能性を追求したマツダの人たちの夢があったはずだ。

 CX-5よりスタートしたマツダ新世代商品群により、見事な復活を果たしたマツダ。送り出されるクルマどれも魅力的だ。だからこそ軽自動車でも、その腕を振るってほしいし、マツダ製スポーツカーの製作を期待してしまう。

 数々の日本の名車が生まれた時代に、軽自動車の新たな可能性を追求したAZ-1を振り返ってみると、そんな感傷的な気分を呼び起こしてくれる。

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