新車で買おうが中古車で買おうが、愛車にキズがつけば誰もがショック受けるに違いない。しかし、もうついてしまったものは仕方がない。次に悩むべきは、そのキズをどう処理すべきかである。
愛車にキズができてしまった際に、直すべきか直さざるべきか、そしてそれはDIYでやるべきか、それともプロに依頼するべきか。クルマを所有する多くの人々が抱えるであろう、キズやヘコミに関する悩み。その判断基準について、専門家の話を交えつつ、ケースごとに検証していこう。
文/清水草一 写真/フォッケウルフ
【画像ギャラリー】愛車のキズやヘコミは修理すべきか放置すべきか?
■ちょっとしたキズなら放置でOK?
愛車にキズが付いてしまった時のショックは、クルマ好きほど深い。たとえば、自分だけじゃなく家族もクルマを運転するような家庭では、奥さんや息子、娘がクルマをこすってきても、「そんなの知らない」、「私じゃない」、「当て逃げじゃない?」とどこ吹く風。陰で泣くのは我々クルマ好きである。
いや、もちろん自分で擦ることもあるだろうし、そこで家族を責めては男がすたる。「キミが無事でよかったよ」とか、「クルマなんてしょせんモノだからね」と、余裕をぶっこきたいものである。
とは言うものの、クルマのキズより心のキズは深い。キズを見るたびに暗い気持ちになり、一刻も早く消してしまいたい! このままじゃ下取りも下がる! カネがかかっても、とにかくキズを直さないと生きていけない! などと考えるクルマ好きも少なくないことだろう。
でも、立ち止まって考えてみよう。ちょっとしたキズは、本当に修理すべきなのか? ひょっとして放置したほうがいいのではないか? 放置と言っても完全な放置ではない。
家族がクルマをこすってきたら、まずやるべきはコンパウンドで表面を磨くことだ。一見大ダメージに見えても、相手側のポールやガードレールの塗装がクルマにこびりついているだけで、コンパウンドで磨けば大かた目立たなくなることは多い。
そこで、板金業者のO氏に話を聞いた。
「キズが浅くて樹脂部分までなら、サビる心配はゼロですから、コンパウンドで磨いて表面をならしておくだけで、なんら悪影響はないですね」
バンパーなど樹脂部分の小キズは、過度に気にするべからず! さすがにボコっと凹んでいたらそうもいかないが、たとえばバンパーの角がボコッと凹んでいるだけなら、裏から押すだけでポコンと直ることだってある。私はかつてダイハツ・エッセを当て逃げされた際、それで事なきを得た(多少キズは残ったが)。
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