クラウンヴェルファイア中国発売 日本では…どうなの??

国内では、意味がないどころか墓穴を掘ることにも

 仮に、クラウンヴェルファイアが日本導入されたとしても(※もちろん、中国市場の価格ではなく適正な価格で)、この中国で販売されているクラウンヴェルファイアのような「名前だけ」では、販売台数を伸ばすことはできないであろう。

 それどころか、逆に顧客の信頼を失うことにもなりかねない。中国市場では、「クラウン」が新しい高級ブランドの冠として通用するのかもしれないが、日本では、取ってつけたような名前に、価値を見出すことは考えられない。

 もし、日本で「クラウンヴェルファイア」を販売するのであれば、フロントマスクをクラウン似にしたり、車室内もクラウンをオマージュしたような豪華なデザインにする、くらいしなければ、クラウンと冠したところで、インパクトはまるでないだろう。

中国市場で「クラウン」を高級車ブランドの冠として意識づける戦略をとってきたトヨタ。だが、日本ではその戦略は通用しないだろう
中国市場で「クラウン」を高級車ブランドの冠として意識づける戦略をとってきたトヨタ。だが、日本ではその戦略は通用しないだろう

「販売のトヨタ」はクラウンブランドの切り売りは絶対にしない

 ご存じの方は多いと思うが、中国でクルマを販売するには、現地の自動車メーカーと提携し、合弁生産会社を設立する必要がある。筆者の勝手な憶測だが、今回のクラウンヴェルファイアは、その提携先メーカーたっての要望であり、トヨタ自体は、中国市場における「クラウン」ブランド展開には、猛反対したんじゃないだろうか。

 ヴェルファイアは、いいクルマに違いないが、「クラウン」バッヂを付けて売るのは、「クラウンブランド」の切り売りにも思える。長い年月をかけて、顧客との強い信頼関係を築き上げ、「クラウン」というブランドの深みと重みを理解しているトヨタおよびトヨタ自販にとっては、このような戦略は、「暴挙」ともいえる。天下のトヨタとはいえ、多く出資をしている中国側企業の意見に従わざるを得ないかったのであろう。

 いまの流れでは、かつてのようにヴェルファイアがアルファードと対等になることはなく、初代アルファードVのモデル構成のようにして、ヴェルファイアが吸収される可能性は大きい(※2代目アルファードへとモデルチェンジをしたタイミングで、ネッツトヨタ店向けとして売られていた「アルファードV」の後継モデルとして、ヴェルファイアが用意された)。

 だがそれでいいと思う。アルファードに一矢報いたいならば、「クラウンヴェルファイア」のようなやり方ではないかたちで、登場してきてほしい。

【画像ギャラリー】ド派手顔アジアナンバーワン!! クラウンヴェルファイア公式写真全公開

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