スーパーチャージャー衰退の裏にターボとモーターの進化
ひとつはターボチャージャーの高性能進化だ。ダブルスクロールなどと呼ばれる技術革新によって、エンジン低回転時の流量の少ない排ガスでもターボのタービンを高回転で回すことができるようになった。タービンの小型化も貢献している。
つまり、エンジン低回転から高圧縮化が可能になったので、一般走行でも使いやすいレスポンスとトルクが出せるようになったのだ。しかもターボチャージャーのほうがスーパーチャージャーのように駆動ロスがないので燃費も良い。
もうひとつは48Vなどに代表されるマイルドハイブリッドシステムの進化。ストップ&ゴーや低回転域を電気モーターで補い、なおかつ減速時のエネルギーを回生(電気に変化して蓄電)することができるので、スーパーチャージャーほどトルクは出ないにしても最低限のアシストで低速を補い、その後はターボチャージャーにお任せするというもの。新型VWゴルフがほとんどこのシステムに取って代わった。
メカニズム的にもオルタネーターを駆動可能な電気モーターに変換することでシステム上可能となる。またアイドリングストップからのエンジン始動時も、スターターよりも強力なモーターなので一発始動する。
スーパーチャージャーの今後はどうなる?
と、このようなことを考慮するとスーパーチャージャーが廃れてしまうのも理解できるのだ。とはいえ、スーパーチャージャーは今後ハイエンドのスーパースポーツには残っていくだろう。
やはりレスポンスとパワーを求めるとスーパーチャージャーほど魅力的なアイテムはない。
最後に取って代わるだろうターボチャージャーにしても、過給してパワーを引き出すには燃料も必要なのでアクセルを踏めば踏み込むほどに燃費は悪化する。より希薄な混合比で燃焼させる技術進化は不可欠だ。
すべてEVにすれば良い、なんて言う人もいるようだが、まだまだ夢見事。マルチなエネルギーによる効率的システムの技術革新がキーになる。
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