トヨタ1強の今となっては……だが、「あのトヨタに勝ったクルマたち!!」

■レガシィツーリングワゴン

 元号が平成となった89年登場で、スバルが文字どおり社運をかけて開発した初代レガシィはスタイリッシュで使い勝手もいいツーリングワゴンと、2Lターボ+4WDでパワフルな走りを安全に楽しめるセダンのGT系を牽引車に大ヒット車となった。

現在の日本市場ではレヴォーグの祖先にあたるレガシィツーリングワゴン。先代型に当たるレオーネから、インプレッサとともに分岐して現れた
現在の日本市場ではレヴォーグの祖先にあたるレガシィツーリングワゴン。先代型に当たるレオーネから、インプレッサとともに分岐して現れた
写真は初代カルディナ。3代目モデルのGT-FOURは、スープラより速くニュルブルクリンクを駆け抜けたと言われる
写真は初代カルディナ。3代目モデルのGT-FOURは、スープラより速くニュルブルクリンクを駆け抜けたと言われる

 レガシィツーリングワゴン人気を見ながらトヨタが92年に投入したのが初代カルディナである。しかし、スバルにとっては大黒柱となるレガシィツーリングワゴンに対し、初代カルディナは「トヨタ車の1台」というのは明らかで、トヨタの販売力をもってしてもレガシィツーリングワゴンにまったく歯が立たなかった。

 この流れは両車がフルモデルチェンジを重ねてもほとんど変わらず、カルディナは07年に3代目モデルで絶版となってしまった。

■初代ステップワゴン

 90年代に始まったRVブームへの乗り遅れなどを原因に、ホンダは90年代中盤ピンチに陥っていた。しかし、ホンダは94年登場の初代オデッセイから始まった「クリエイティブムーバー」と呼ばれるミニバンやSUVによるRV戦略の成功で、勢いを取り戻していた。

 96年登場の初代ステップワゴンはクリエイティブムーバー第3弾となるBOX型ミドルミニバンで、オデッセイやCR-Vの初代モデルと同様に乗用車ベースとすることで乗用車的な運転感覚を持つ点や価格の安さを理由に大成功を収めた。

「こどもといっしょにどこいこう」のCMで話題となった初代ステップワゴン
「こどもといっしょにどこいこう」のCMで話題となった初代ステップワゴン
タウンエースノアは商用ベースのFR車。2001年にFFの「ノア」とバトンタッチして販売終了となる
タウンエースノアは商用ベースのFR車。2001年にFFの「ノア」とバトンタッチして販売終了となる

 同じ96年には初代ステップワゴンのライバルとなるタウンエースノア/ライトエースノアも登場するのだが、タウンエースノア/ライトエースノアはGOAボディをはじめとした全体的な安全性というアドバンテージはあった。

 しかし、タウンエースノア/ライトエースノアは「商用バンベースのミニバン」という点を大きな理由に初代ステップワゴンの販売台数を大きく上回ることはできず、初代ステップワゴンはタウンエースノア&ライトエースノアを苦しめるほどの大成功を納めた。

■2代目ロードスター

 98年登場の2代目ロードスターは世界的なヒット車となった初代モデルと同じプラットフォームを使うなど、キープコンセプトで開発された。

初代から基本的な考え方を変えずに、ブラッシュアップされた2代目ロードスター
初代から基本的な考え方を変えずに、ブラッシュアップされた2代目ロードスター
MR-Sはより速さを重視したMR-2に対し、操る楽しさにフォーカスした内容に変更された
MR-Sはより速さを重視したMR-2に対し、操る楽しさにフォーカスした内容に変更された

 翌99年にトヨタは2代目MR2の後継車で、ロードスターと同じ車格となるミドシップのオープンモデルとなるMR-Sを投入した。MR-Sは初期モデルでは1トンを切る軽さや設計の新しい1.8Lエンジンによる高い動力性能や燃費のよさ、ミドシップらしさを持ちながら安心感あるハンドリングなど、2代目ロードスターを上回っていた部分や違ったキャラクターも持っていた。

 しかし、MR-Sは全長4m以下のボディサイズでミドシップとしたことで荷物があまり積めないという大きな弱点もあり、販売は振るわなかった。

 結局、MR-Sはロードスターが3代目モデルだった07年に一代限りで絶版となり、86が登場するまでトヨタのラインナップからスポーツカーはなくなってしまった。2代目ロードスターの勝因はFRという点をはじめ全体的にオーソドックスなスポーツカーだったことと、マツダの「ロードスターを絶対に継続する」という強い意志にあったのだろう。

次ページは : ■まとめ

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