新車の納期遅延の影響で中古車に人気が集まっている。そこで、中古車にまつわる疑問を達人たちに回答していただいた本シリーズ。今回は「新古車」をクローズアップ。
「新古車」という言葉は俗称で、業界で最近定着しているのは「未使用中古車」という言葉。
この言葉どおり中古とはいえ『未使用』だから、買うとなると魅力的だ。最近の状況はどうなのか? 遠藤徹氏が語る。
※本稿は2021年11月のものです
文/遠藤 徹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年12月10日号
■中古車を考えるなら視野に入れたい! 新古車の現在は?
国産や輸入車の正規販売店が販売台数稼ぎのために、新車を販売店名義でナンバーを取得し、中古車業者に卸売りする……。
それが新古車(未使用中古車)で、数年前まではよく目についていた。
最近の状況はどうか。全体的には発生件数が極めて少なくなり、未使用中古車の展示台数も少ない。理由はコロナ禍の影響。新型コロナの影響で半導体をはじめ部品の供給が遅れ、メーカーの生産が滞り、新車の納期が大幅に遅れている。
販売店は扱う新車の受注ができてもナンバーを取得し、納車しないと利益にならないので、商売にならない状況が続く。
ひとつの活路となっているのが中古車の販売だ。自社の新車販売で発生した下取り車やオークションでの仕入れなどで入手している。
このような状況もあり、未使用中古車の手続きなどへ手が回らなくなり、未使用中古車そのもののタマ数は大幅に減っている状況だ。
■軽の未使用中古車専業店
またひとつの傾向だが、国産車では軽自動車の未使用中古車専業店が幹線道路沿いの中古車街で目立つ。
首都圏の例だと16号沿いの千葉県や埼玉県、6号の茨城県である。ただ以前に比べるとタマ数が極端に少なくなっている。「今年初めに比べると約半分に減っている」という。コロナ禍で流通が滞った影響だ。
それでもN-BOX、タント、スペーシアをはじめ、ハスラー、タフトなどのSUVは比較的多く、新車よりも20万〜30万円安い当年ものがよく売れている。
新車は3カ月も待たされるがこちらはすぐ買えるのが強みだ。走行距離は100km以下と短い。
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