バスの車内事故とは運転士・乗客双方にとって恐怖であり、交通事故とはまた違う側面での事故だ。今回はたまたま記者が乗り合わせた路線バスで「あわや車内事故!!」という場面に遭遇したのでレポートする。写真はイメージであり本稿事例とは関係ないことをお断りしておく。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】記者が乗り合わせたバス車内事故寸前の恐怖と運転士の神対応!(8枚)画像ギャラリー普段は運転士を信頼してボケーっと乗っているが
記者は路線バスのどこに座っていても、普段は取材でもない限りは運転士を信頼して、ボーっとスマホでもいじりながら乗っていることが多い。もちろんバスファンで大型二種免許を持っているので、普通の人よりも見る方向は多少違うかもしれないが、座っているときはほかの乗客と同じだ。
車内事故とはバスと他の交通や人とのいわゆる交通事故ではなく、バス車内で乗客がケガをするなどの事故を言う。もちろん交通事故に起因する車内事故が多いのは言うまでもない。
また交通事故にならないまでも事故を避けるために急ブレーキをかけたり、通常通りの運転操作をしていても発進や減速・停止、右左折のGに耐えられず転倒してしまう高齢者もいる。こうしてケガをすればすべて車内人身事故だ。
いずれにしても車内事故の責任は運送事業者の責任になり、一般論としては賠償責任を負う。バスに乗車するということは法的には乗客が運送を申し込み、事業者が承諾して当該運送を引き受けるという契約であり、その内容は運送約款に基づく。
事業者によっても異なるが、標準的な運送約款では「当社は、当社の自動車の運行によって、旅客の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任じます。~中略~ 当社の旅客に対する責任は、その損害が車内において又は旅客の乗降中に生じた場合に限ります。」となっている。
記者が特に注意している区間は?
記者がよく利用する路線バスで、特にこの区間だけはボケーっとしない区間を例として挙げる。それは都営バス・京王バス共同運行の渋66系統・西武百貨店前-宇田川町間だ。
この区間は一方通行なので1車線でも対向車と離合することはない。しかし歩行者が非常に多く、両側が歩道になっているにもかかわらず、常時歩行者天国のように振る舞う歩行者が多すぎるのだ。
そんな道路に大型バスがやってくると、びっくりしてあわてて歩道に戻る人もいれば、逆に歩道から車道に飛び出してくる人もいる。運転士はこの急な飛び出しに細心の注意を払っているのは明らかで、より神経をすり減らしている緊張区間だろう。
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