達成感ありまくり!! 激レア車種を売ったセールスマン奮闘秘話

■奇抜な限定車は売るのが怖い

いまだ記憶に新しいピンククラウン
いまだ記憶に新しいピンククラウン

 台数が限定されるレアなクルマには、高額車両が多い。例えばトヨタ・オリジンや記憶にも新しいピンクのクラウンがこれにあたる。

 こうした特別なクルマたちは、キャンセルを絶対に避けなければならない。筆者が思い出すのは、ピンククラウンの注文だ。台数限定ではなく期間限定で販売されたピンククラウンは、希望すれば誰でも購入できるクルマだった。

 クラウンでも色はピンク、誰もが気軽に乗れるものではない。また、ピンクという色から、数年後の査定金額もどうなるか分からなかった。ピンククラウンは各店で慎重に販売された限定車だ。

 bBのオープンデッキなども、慎重な注文を迫られたクルマだったという。

 当時このクルマを販売した先輩営業マンは、契約書を取り交わす際に、担当営業の自分、担当課長、副店長、店長など、上司が勢ぞろいして1人のお客様に対応した思い出を話してくれた。何度も注文していいのかと上司に確認され、最終的には上司が、その目で契約を確認しにきたという。

 最初は課長だけだったが、時間経過と比例して商談の席にはどんどんと上司が集まってくる。最終的にはお客様を囲むようになってしまい、お客様が裁判を受けている人のように見えて、なんだか申し訳なかったと語っていた。今もそのお客様はお得意様の一人で、当時の商談は笑い話の一つのようだ。

 筆者はクルマの販売現場で働き、様々なドラマを見てきた。その中に一つとして同じ商談は無い。中でも取り扱いが少ないクルマを売った記憶は、今でも鮮明に覚えているものだ。希少性の裏に隠れたリスクを背負いながら、激レア車種の商談は行われる。

 昨今はめっきりと減った激レア車種。こうしたクルマを販売する機会を与えられたセールスマンは、後にも先にも経験できない「貴重」な体験をさせてもらったのだろう。

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