この激減も前項のFMCの長期化と同じで、商品開発が海外中心になって日本で売る新型車が滞ったことが要因。メーカーの方針はわかるが、「何もしない」と市場が冷え込むだけだ。
■メーカーの新型車の売り方が激変しちゃった
1990年代まではFMCを控えた車種でも、従来型を最後まで大切に売っていたものだ。新型車の情報は買い控えにつながるからかなり厳しく管理されていた。
が、今はそれが激変! ティザー広告なるもので次期型の内外装などを早々に公開して、発売の2~6カ月も前に受注を開始。従来型は無理な値引きで売ってフェードアウト。逆に新型は徐々に売り始めるフェードインだから、新登場した時の感動も薄れるっていうもの。これでいいのか!?
■十数年前と大きく変わった「値引き」額
日本のメーカーが国内市場を中心に商売していた時代は、販売店での値引き額が凄かった。1台当たりの粗利が多く、時期によってはメーカーから販売報償金が支給され、これを加えて値引き額をさらに増やした。例えば200万円の車両が40万円の値引きで売られたことも。
しかし今は変わった。1台当たりの粗利が減り、販売報償金も特別な場合を除くと支給されず、200万円の車両が25万円超えの値引き額を引き出せれば好条件だ。かたや輸入車はモデル末期になると日本法人を経由して本国から販売報償金が支給され、500万円のモデルの値引きが100万円を超えたりする。この格差も凄い。
■安全装備への意識。随分変わりました!
ここまできて、どうにも自動車界の「激変」には悪いことが多い感じだ。が、歓迎される「激変」は安全装備の激増だ。1980年代までは4輪ABSやエアバッグを備えたクルマは少数だったが、義務化されたこともあって1990年代以降に急増。今では横滑り防止装置も義務づけられている。
そして、注目されるのは緊急自動ブレーキを作動できる安全装備。義務化の外圧を受けず、ユーザーの理解を得て急速に普及した。「安全に対する意識の激変」が後押ししたカタチといえる。
最近は運転支援の機能が「自動運転」の言葉とともに人気を高めているけど、優先すべきは事故防止。順序を間違えてはダメだと思う。
■ひと昔前比較で1.8倍も。燃費性能が激変なんです
一時期に比べ、最近は国産車の燃費競争がおとなしくなってきたが、過去を振り返ってみると軽自動車やコンパクトカーを中心に、燃費は大幅に向上している。
例えば10年前の2007年に売られていた3世代前のワゴンR(発売は2003年)は、 ノーマルエンジン搭載車の10・15モード燃費が21.0km/Lだった。JC08モードに換算すると約19.0km/Lだ。
それが現行のワゴンR FZグレードは33.4km/L。燃費数値は1.8倍に激変している! 数値上では燃料代を10年前の57%に抑えられる計算になり、凄いセーブマネーになる。細かな数値を競ってもあまり意味はないが、実用燃費を向上できる正当な燃費競争は必要だと思う。
■ETCの登場は最大級の激変かしれませんぞ
最後は企画冒頭で写真で紹介した、高速道路の料金支払いシステムの話。今の10~20代は知らないだろうが、十数年前まではETCなんてなかった。とにかく支払いは係員への現金手渡しが中心なので、“料金所渋滞”なるものも発生したもんです(懐かし~)。ETCの登場で支払いシステムがかなり便利になったのは、カーライフのなかでも最大級の激変といっていいと思う。
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