シトロエン ベルランゴに待望の3列7人乗り追加販売決定! その魅力を徹底研究

■日本導入はいつ?

e-ベルランゴXL。ヨーロッパでは2022年1月上旬から販売する乗用車仕様のベルランゴは、全車EVとなった
e-ベルランゴXL。ヨーロッパでは2022年1月上旬から販売する乗用車仕様のベルランゴは、全車EVとなった

 気になるのは、ベルランゴXLの導入仕様についてだろう。なんと欧州では、2022年1月上旬から販売する乗用車仕様のベルランゴは、全車EVに限定された。

 これは日本未導入の大型ミニバン「スペースツアラー」も同様の対応となるという。EVの「e-ベルランゴ」について簡単に紹介すると、ボディサイズや機能は、エンジン車のベルランゴと同様で、XLボディも設定される。

 EV仕様となる部分を紹介すると、136psの電気モーターを搭載し、130km/hの最高速度を確保。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は50kWhで、最大航続距離を280km(WLTP)としている。

 充電機能は、最大出力100kWの急速充電に対応し、30分で最大80%の充電が可能に。日常的に利用する200V普通充電では、7.4kW出力のウォールボックスを使用した場合で、約7時間としている。

 電気モーターによる俊敏な加速力を鑑みると、モーター出力と最高速度の設定は、問題ない性能といえるが、アクティビティに活用したいミニバンの航続距離が最大280kmという点は気になるところ。日本仕様のベルランゴもEVとなってしまうのだろうか。

 その点については、心配はいらないようだ。シトロエンも欧州向けのベルランゴについては、完全EV化を謳っているが、他の地域向けでは、エンジン車の供給を続けるようだ。

 このため、今年日本に上陸するベルランゴXLは、標準ボディと同じ1.5Lのクリーンディーゼルエンジンと考えてよいだろう。そして、将来的には、EVの追加か移行という決断が下されるはずだ。

 ちなみに、EVシフトの決断をしつつ、他市場へのエンジン車の供給が可能なのは、商用バン仕様には、引き続き、エンジン車が継続されているためだ。

2022年に日本上陸予定のベルランゴXL。将来的には、EVの追加もしくはEVへの移行となるだろう
2022年に日本上陸予定のベルランゴXL。将来的には、EVの追加もしくはEVへの移行となるだろう

 ベルランゴXLの導入は、日本市場でのベルランゴ人気の大きさが影響しているのは間違いないが、シトロエン側の事情もあるようだ。

 2022年4月21日、フランスのシトロエンから配信されたリリースでは、個性派ミニバンとして、シトロエンファンに愛された「グランドC4スペースツアラー」の販売終了を決定したことを発表。

 これにより1994年に誕生したシトロエン エバシオンからスタートした個性派ミニバンシリーズの28年にも及ぶ歴史に幕を下ろすことになる。シトロエンは生産終了の理由をMPV市場の縮小を挙げており、今後の3列シート車は、商用車仕様も用意するベルランゴやスペースツアラーが担うとしている。

 現在の生産地であるスペイン・ビーゴ工場では、2022年7月上旬での終了を予定している。「グランドC4スペースツアラー」の国内販売については、現時点で公表する情報はないといい、今後も未定としている。ここからは筆者の推測となるが、日本でもグランドC4スペースツアラーの販売は、年内で終了するだろう。

 コロナ過でなければ、最終限定車が用意された可能性が高いが、今回は期待できない。そして、その後継として、今年後半にベルランゴXLの導入が正式発表されると見ている。

 今は、グランドC4スペースツアラーを名乗るが、元々は2013年にフルモデルチェンジを行った2代目「C4ピカソ」である。日本では、2014年秋よりショートボディの5人乗りMPV「C4ピカソ」とロングボディの7人乗りミニバン「グランドC4ピカソ」として導入を開始した。

 2018年より本国で名称が変更されたことを受け、日本でも「グランドC4スペースツアラー」を名乗るようになった。次世代プラットフォーム「EMP2」をグループ内のプジョー308に続き、採用。

 このため、最新世代とも共通点を持つモデルではあるが、すでに登場より9年を迎えるため、多くの人にとってはベルランゴXL導入を待つのが正解だ。

 しかし、唯一無二のスタイリングと個性的なコクピット、ハイパワーな2Lクリーンディーゼルターボを搭載する点などを考慮すれば、シトロエンファンならば、最後に手に入れておくという選択も悪くない。

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