時代の移り変わりとともに クルマも、それを取り巻く環境も大きく変化している。たとえば、AT車や、ナビをはじめとする運転をサポートする装備、安全装備などの急速な普及により、ひと昔前 と比べると必要とされる運転技術やドライビングスタイルに対する価値観も変わってきている。
今回はそうした変化に伴い、若者にとっては時代遅れで「ちょっと……」と感じてしまう運転を紹介する。実際にオヤジかどうかに関わらず、「かっこわるい」と言われないような運転がしたい人は参考にしてほしい 。
文/入江 凱、写真/写真AC、イラストAC、Favcars.com
【画像ギャラリー】かっこいいオヤジになるためにやっちゃいけない運転とは?(9枚)画像ギャラリーフェイントがカッコいい…わけがない! 「あおりハンドル」
交差点などで左折をする時、一度右に膨らんでから曲がるという運転は 「あおりハンドル」とも呼ばれ、危険運転として問題になっている。
運転技術が未熟で内輪差の感覚が掴めていないため無意識に右に膨らんでしまうという場合は百歩譲って致し方なしだが……。一方で、いまだフェイントをかけて曲がる あおりハンドルをすることが 「かっこいい」と考えているオヤジドライバーもいる。
レース において速度を落とさずコーナリングをするためにフェイントをすることはあるが、街中でそんなテクニックは必要ない 。ウインカーの指示した方向と逆に膨らむと後方車両は動きが読めず危険 だし、路肩を走ってきた自転車やバイクなどを左折時に巻き込む恐れもある 。
この運転はカッコ悪いと笑ってはいられない、今すぐやめるべき極めて危険な運転なのだ!
キモいと言われることも!? 「シートに手を掛けてのバック」
オヤジ運転の代名詞と言われる 助手席のシートに手を掛けての後退。バックモニターの普及もあり、わざわざ体を捻って後方を確認しながらバックをする必要性のないクルマが増えてはきているものの、それでもこのオヤジ運転をする人を見かけることは多い。
「女性がドキッとする仕草」などと言われた時代もあったものの、最近では女性からはむしろ「イキってる」、体が接近してきて「気持ちが悪い」 といった見方をされることも多いようなので、気になる女性を助手席に乗せている時には 気をつけたい。
パワステあるから、必要ないはずの「逆手ハンドル」
「内掛けハンドル」とも呼ばれるが、通常は外側から握っているハンドルを内側から握り直してハンドルを切る運転方法。パワーステアリングが装備されていなかった時代のクルマはハンドルが重いため、力の入りやすい逆手ハンドルを行うドライバーが多かった。
しかし、パワーステアリングが普及した現代においては、まったく必要のない操作方法となってしまった。飛び出しといった急なハンドル操作が必要な状況でも対応しにくくなるので、安全性の面から見ても癖になっている人は見直すことをお薦めする。
これでもかーっ!! というほどエンジンを吹かしまくる「ヒール&トゥ」

ご存じのように、ヒール&トゥとはシフトダウン時の変速ショックをなくすためのテクニック。具体的には減速してシフトダウンする際に右足のつま先(トゥ)でブレーキを踏むと同時に、カカト(ヒール)でアクセルを踏み回転数を調整して クラッチを繋ぐことで変速ショックをなくすというもの。
減速後のスムーズな立ち上がりにつながり、トランスミッションへの負荷を減らすことができるテクニックだが、その際に必要以上にアクセルを踏みすぎ、エンジンを吹かしまくるのは「やかましい」以外の何ものでもない。 本来、ヒール&トゥは スムーズな走行のためのテクニックであって、周囲を威嚇するようなエキゾーストノート を響かせるためのものではないのだ。