さらに「パジェロ」に近づいた2代目
1998年10月にパジェロミニは2代目へ移行。このタイミングで本家パジェロはまだ2代目のままだったが、軽自動車の規格が新しくなってボディサイズを拡大したため、それに合わせてのモデルチェンジとなった。
基本的なメカニズムとシャシー構造はそのまま継承されたものの、軽自動車規格の変更は、より「パジェロ色」を強めるのに好都合で、2代目のホイールアーチはしっかりと存在感が感じられるものに。2008年9月のマイナーチェンジでは、デザイン変更で顔つきがさらにパジェロに近くなり、最上級グレード「エクシード」の追加で落ち着いた高級感さえ感じられるようになった。
とはいえ、軽自動車枠であれば、より室内空間が広い軽ハイトワゴンに人気が集まるのは当然。また、本家パジェロのようなオフロード主体のSUVモデルの人気が低迷していたことや基本設計の古さ、といった理由から、パジェロミニは次第に販売が落ち込み、2012年6月をもって生産終了となった。
気になるのは「パジェロミニ」で登場するのか否か
パジェロの魅力をそのまま軽自動車にするのは簡単ではなかったはずだ。普通自動車と軽自動車は、ボディサイズの違いだけでなくコスト面でも大きな制約がある。また、このカテゴリーではすでにジムニーという強力なライバルが存在していたので、中途半端なつくりでは二番煎じにしかならない。
しかし、登場したパジェロミニは、そうした制約の中でしっかり「パジェロ」が感じられるし、ジムニーとは違う個性と魅力を放っていた。まさに、偉大なビッグネーム、パジェロの名を語るに恥じないデザインとつくり込みのよさだった。記憶に残る名車であり、今回の復活の情報は、クルマファンとしては非常にうれしいことだ。
気になる新型パジェロミニについては、現代的なクロスオーバーSUVのパッケージングで登場する可能性が高いだろう。既存のプラットフォームをうまく活用しながら、ハイトワゴンやハッチバックとは違う選択肢を与えてくれるに違いない。ひょっとすると、eKクロスEVと同じく、軽BEVとなって復活する可能性もなくはない。ジムニーがまだ手を付けていない、「オフロード系軽BEV」といった新たなジャンルを起こせば、先手必勝となる。
とはいえ本家パジェロが生産中止となってしまった現在は、「パジェロミニ」といわれてもファミリー自体が存在しない。「パジェロあってのパジェロミニ」という意義は少なからずあっただろうから、もし本当に新型パジェロミニがあるのであれば、そのあたりをどんな形で説得してくるのかは注目だ。
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