2021年には自動運転レベル3技術を搭載したホンダ レジェンドが登場した(って書くと正直「そんな最近だったっけ?って気がするのだが」)。
メーカー各社は開発を進め、自動運転技術は着実に進歩している。しかしながら、まだまだ多くの人が夢見るような自動運転の実現には時間が掛かりそうなのも事実。
3年後に迫った2025年までに、自動運転を始めとした先進運転支援技術は大幅に進化するのか? それともほとんど変わらないのか? 鈴木直也氏が考察する。
※本稿は2022年6月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年7月26日号
■まず「自動運転」についての理解はどこまで進んでいるのか?
自動運転についてどう考えますか? と聞くと、典型的なのが次のようなリアクション。
「もうすぐ無人タクシーが自宅まで迎えに来てくれるんでしょ?」とか、「自動運転が実用化されたらレジャー帰りの渋滞でも寝て帰れるんでしょ?」とか……。
要するに、今人間がやってることを機械が代わりにやってくれるというイメージを持っている人が多い。
ま、そう思うのも無理ないよね。
ネットを見ると、シリコンバレーでは無人タクシーの実験が進んでいるとか、テスラの自動運転ソフトFSD(フル・セルフ・ドライビング)はベータテスターが10万人を超えたとか、海外では凄い勢いで技術開発が進んでるというニュースが流れてる。
でも、こういったニュースはかなり誇張されていると思ったほうがいい。
アメリカで自動運転のタクシーが、実験的に営業を開始しているのは事実だ。
今一番進んでいるのは、GM系列のCruise(クルーズ)で、つい先日カリフォルニアで初の商用事業免許を取得して話題になった。
また、グーグル傘下のWaymo(ウェイモ)は、アリゾナ州で同じような商用実験を実施中だ。
いろんな制約はあるにせよ(Cruiseの営業時間は交通量の少ない22時から翌朝6時まで、最高速度は30マイル時以下など)、無人のロボタクシーが走り出しているのは間違いない。
ただし、こういったベンチャー企業の目的は、自動運転ソフトウエアの開発がメインである点に注意が必要だ。
主戦場は自動運転ソフトの開発で、場合によってはそれを外販するかもしれないが、自動運転のクルマを市販するつもりはないってこと。
ビジネスの主体は「自動運転によるサービスを提供すること」で、その典型が自動運転タクシーや自動運転トラックなど。
人間のドライバーを機械に置き換えられたらどのくらい儲かるか。経営者ならずとも想像はつくよね。
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