乗客を乗せて走るバスは、ドライバーにデリケートな運転が求められる。特に路線バスは一部の乗客が立って乗車しているだけに、発進、停車、そして加減速に加えてカーブや交差点を曲がる際に大きなGがかからないように細心の注意が必要だ。
そしてバスには他車とぶつかったり、ガードレールに当たってしまったりする事故ばかりでなく、車内で乗客が転倒するなどしてケガをするなど、「車内事故」という事象がある。
文/写真:バスマガジン編集部
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車内でも車外でも扱いは同じ交通事故!
一般に認識されている交通事故とは、運転する自動車が他の自動車や歩行者と接触したり、建物やガードレールや電柱にぶつかってしまうものまでさまざまだ。
バスの場合は多くの旅客を乗せて走るだけに、言うまでもなく特に立席のある一般の路線バスでは細心の注意を払って運転している。仮に事故を避けるためにやむを得ず急ブレーキを踏んで、幸いにも事故が回避されたとしても、車内の乗客が転倒などして怪我をしてしまう場合もある。
このような車内事故も実は一般的な交通事故と同じ扱いになる。もちろん人がケガをしているので人身事故だ。道路交通法第72条により、直ちに車両を停止させ警察官に報告しなければならないことになっている。
そして救急車を呼ぶなど、ケガ人に対する対処を最優先とし、営業所にも報告、それ以上は運行を続けられないのでほかの乗客には後続便か代替の車両に乗り換えてもらうことになる、というのが現実的な対処だ。
吊革や手すりにしっかりとおつかまり下さい!!
車内事故が起こってしまうのは、バスの運行上のハプニング、たとえば歩行者や自転車の飛び出しなどがあって、運転手が急ブレーキを踏まざるを得ない場合、停止の反動で立ち客がバランスを崩して転ぶ、といったイメージだ。。
そういった万が一のハプニングでも乗客が対応できるように、「空いている座席にご着席ください」「吊革や手すりにしっかりとおつかまり下さい」「走行中の移動は行わないで下さい」「降車時はバスが停車するまで立ち上がりや移動をしないで下さい」などといった注意喚起のアナウンスが、車内では常に行われている。