ハイブリッドかつ、ひと通りのオプション装備がついて299万円
サイズ的にはC-HRとRAV4のちょうど間に位置する、カローラクロス。カローラツーリングと、全長とホイールベースが一緒で、全幅が80mm広く、背は160mm高い。ちなみに、最小回転半径は5.2mと、コンパクトなはずのヤリスクロス(5.3m)よりも小回りが効く。
インパネデザインは、ほぼカローラツーリングと同じだ。ダッシュボード全体が水平基調で構成されており、(ディスプレイオーディオの出っ張りを除けば)高さも低く、Aピラーもスリム化されていることで、前方視界が非常に良い。またボディサイドのガラス面積がとても広く、車室内は非常に明るい。電動ロールシェードが備わる大開口パノラマルーフも、室内の明るさに貢献している(このパノラマルーフはメーカーオプションだが、下取り査定で高評価となるアイテムの一つなので購入される方は必ずつけることをお薦めする)。
パワートレインは、1.8L 直4エンジン+モーターのハイブリッド(リダクション機構付きTHS II)と、1.8L直4ダイナミックフォースエンジンの2本立てだ。燃費は、ハイブリッドで26.2km/L(WLTCモード、ミドルクラスSUVの中でトップベンチ)、このハイブリッドの価格は、259万円(HYBRID G 2WD)~299万円(HYBRID Z 2WD)だ。
最上級グレードのHYBRID Zであれば、18インチアルミホイールやBi Beam LEDヘッドランプ、LEDテールランプ、電動パワー式の本革ファブリックのコンビシート、シートヒーター、ハンズフリーパワーゲートなど、ひと通りのオプションアイテムが標準搭載。もちろん、諸費用を加味したり、9インチディスプレイオーディオ(+28,600円)をつけたり、ボディカラーを人気色のパール系(+33,000円)にするとすぐに超えるが、多くの人にとって、購入時のひとつの目安であろう「総額300万円」のうちで収まってしまう(だから、このHYBRID Zが人気なのだろう)。
仮に、他メーカーのライバル車、例えば、日産のキックスやエクストレイル、ホンダのヴェゼルやZR-V、マツダCX-5、スバルフォレスターなどで、カローラクロスハイブリッドと同様のアイテムを装備すると、あっという間に300万円を超えてしまうのは間違いない。カローラクロスは走行性能も燃費も一級品であり、万人受けするデザインさえ気に入れば、もっともお薦めできるモデルなのだ。
今後、このカローラクロスの脅威となるのは「新型C-HR」か!??
カローラクロスが躍進するその陰で、影響を受けていたのが身内のC-HRだろう。C-HRの2022年登録台数は、毎月1000台を下回るところにまで下落している。C-HRは、2016年12月登場とすでに6年目に突入しており、見慣れたデザインとなってしまっている現行C-HRでは太刀打ちできないのだろう。
そんなC-HRだが、2022年12月5日に、欧州トヨタが、次期C-HRのコンセプトモデル「C-HRプロローグ」を公開している。2ドアクーペSUV風のボディデザインだが、現行C-HRと同様、後席ドアアウターハンドルをブラックアウトして隠すデザインを踏襲していると思われる。登場は2023年春頃と予測されており、当然、日本仕様も用意される見込みだ。
(新型C-HR、大いに期待したいし、2023年度中の発売が見込まれるが、一部販売店では「KINTO専用もしくは日本発売は見送られる可能性も…」という情報が流れている。マジですか。現在情報を精査中です)
カローラクロスと現行C-HRは、同世代のTNGA (GA-C)プラットフォームだ。走りに特化したC-HRと、使い勝手に特化したカローラクロス、キャラ分けは明確にできるが、購入層としては大いに迷うところであり、新型C-HRが登場することで、この2台のトヨタ車がミドルクラスSUV界隈を牛耳る可能性もある。はたして、他メーカーはこの最強ミドルクラスSUVたちから、どのようにして顧客を自社モデルへと振り向かせるか!?? 2023年もミドルクラスSUV市場からは目が離せない。
【画像ギャラリー】カローラクロスだけじゃない!! 全長4500ミリ以下の国産コンパクトSUVたち(30枚)画像ギャラリー
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